近年、夏の猛暑はますます厳しくなっており、オフィスの暑さ対策は快適な職場環境づくりのうえで欠かせない課題となっています。
「クーラーをつけているのに、なぜか暑い」「窓際の席だけ異常に蒸し暑い」「午後になると室内全体がムッとする」
そんな悩みを抱えているオフィスも多いのではないでしょうか。
実際、暑さによる不快感は、集中力や作業効率の低下を招くだけでなく、体調不良や離席回数の増加など、目に見えないかたちで業務にも影響を及ぼします。
本記事では、暑さに悩む企業のための暑さ対策から、対策を講じる前に知っておきたい基礎知識についてもわかりやすく解説します。
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目次
オフィスの暑さ対策が行えていない企業は多い?

「うちは冷房を入れているから大丈夫」と思っている企業こそ、実は暑さ対策が不十分な場合が少なくありません。
空調設備を稼働させれば一定の涼しさは得られますが、それでも「特定の場所が暑い」「エアコンの効きが悪い」といった声は意外と多く、社員からの小さな不満が積もっているケースもあります。
特に築年数が経過した建物や、窓面積の多い高層ビル、天井が高いフロアなどは、夏の熱がこもりやすく、冷房の効率も下がりがちです。
また、室内の空気の循環が悪いと、冷気が行き渡らず「冷えすぎるエリア」と「まったく冷えないエリア」が生まれてしまいます。
一方で電気代の高騰を背景に、節電意識が高まっているオフィスも多く、冷房の使用を控えることで逆に暑さが深刻化しているケースもあります。
その結果、「暑さを我慢する職場」が当たり前になってしまい、従業員のストレスや体調不良につながっているのです。
オフィスの暑さは、慣れで乗り切れるものではありません。
小さな不満が蓄積される前に、職場全体の暑さ対策を見直すことが、快適な業務環境を維持するうえで重要です。
オフィスの暑さ対策7選!

ここからは実際のオフィス環境で取り入れやすく、かつ効果が期待できる暑さ対策を7つご紹介します。
現場の特性や建物の構造に合わせて、最適な方法を選ぶ参考にしてください。
1. 空調のリニューアルで冷房効率を高める
築年数が経過した建物では、空調設備自体の劣化により「設定温度は低いのにまったく冷えない」といった状況が生じがちです。
最新の業務用エアコンは、インバーター制御や人感センサー付きなど、効率よく冷気を届ける機能が充実しており、エネルギーコストの削減にもつながります。
また冷房と換気の両立がしにくい構造であれば、換気機能付きの空調設備へのリニューアルも検討すべきです。
2. 窓に遮熱フィルムを貼って直射日光をブロック
日差しの強い窓際の席は、真夏になるとまるで温室のような状態に。
その原因のひとつが、窓から侵入する強烈な日射です。
窓ガラスに遮熱フィルムを貼ることで、赤外線や紫外線を大幅にカットし、室内の温度上昇を抑えることができます。
透明タイプのフィルムも多く、外の景観や採光性を損なわずに快適さをアップできます。
3. 二重サッシ(ペアガラス)で断熱性を向上
シングルガラスの窓は、夏の熱気や冬の冷気をそのまま通してしまうため、外気温の影響を大きく受けてしまいます。
既存の窓の内側にもう一枚ガラスを設ける「二重サッシ」や、断熱性能の高い「ペアガラス」への交換は、室内の温度変化を大きく和らげます。
結露の軽減や防音効果も期待できるため、働く人の快適性を高めるうえでも有効です。
4. 天井や壁に断熱材を入れて熱気を遮断
建物そのものが熱を持っている場合、いくらエアコンを効かせても冷えにくく、冷房効率が悪化してしまいます。
特に最上階や屋根に直射日光が当たるフロアでは、天井からの熱の侵入が深刻です。
断熱材を追加することで、外部からの熱を遮断し、室内温度の安定化が図れます。
夏の暑さだけでなく、冬の寒さにも効果があるため、年間を通じて快適な空間づくりが可能です。
5. 室内の空気の流れを変えて熱だまりを解消
オフィス内に「冷えにくい場所」や「暑さがこもる場所」がある場合、空気の流れに問題がある可能性があります。
パーテーションの配置や什器のレイアウトによって、冷気が行き届かなくなっているケースも。
サーキュレーターやダクトファンを活用し、空気の流れを人工的にコントロールすることで、熱だまりを解消できます。
エアコンに頼りすぎず、効果的に室温を調整する手段としておすすめです。
6. 壁面緑化で外壁の温度上昇を抑制
建物の外壁に植物を這わせる「壁面緑化」は、見た目の癒し効果だけでなく、暑さ対策としても注目されています。
つる性植物やグリーンカーテンは、直射日光を遮ることで、建物表面の温度上昇を抑制し、室内温度の上昇を和らげます。
エコで持続可能な手法として、企業のSDGs対策の一環としても取り入れられています。
7. スポットクーラーや冷風機で一時的な対応を強化
リニューアルまでのつなぎ対策として有効なのが、スポットクーラーや冷風機の導入です。
とくに冷房が届きにくい一部エリアや、窓際の席、倉庫スペースなどでは、こうした補助冷却機器が力を発揮します。
移動可能な機種も多く、夏季限定でピンポイントの対応ができるのがメリットです。
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オフィスの暑さを根本的に解決する方法!

ここまでご紹介してきた暑さ対策は、比較的取り入れやすく即効性のある方法です。
しかし根本的にオフィスの暑さを改善したい場合は、建物全体の性能や設備を見直す「リフォーム」や「リニューアル」が有効です。
リフォーム|建物の構造そのものから見直す
築年数が古いビルや、暑さ対策が十分でない設計のオフィスでは、「そもそも熱を遮る仕組みがない」ことが問題となっているケースが多く見られます。
こうした場合には、断熱性能を高めるリフォームが有効です。
たとえば次のような施工が検討できます。
- 天井・壁・床への断熱材の追加施工
- シングルガラスからペアガラス・Low-Eガラスへの交換
- 日射を遮る庇や外付けブラインドの設置
- 換気計画の見直しと強制換気システムの導入
リフォームによる効果は、夏の暑さだけでなく冬の寒さ対策や結露防止にもつながるため、通年での快適性向上という観点からもおすすめです。
リニューアル|空調・設備を最新にしてエネルギー効率を改善
暑さ対策として忘れてはならないのが、空調や電気設備の「老朽化」です。
エアコンや換気設備の性能が低下していると、いくら設定温度を下げても快適な室温は保てません。
このような場合には、空調設備そのもののリニューアルが根本的な解決策となります。
具体的には次のような更新が挙げられます。
- 高効率な業務用エアコンへの更新(省エネ型インバーター機など)
- 温度ムラをなくすゾーン制御機能の導入
- 換気機能付きエアコンや天井埋込型の全熱交換換気システムへの切り替え
- BEMS(ビルエネルギー管理システム)の導入による空調制御の自動化
こうした設備更新によって、快適性を維持しながらエネルギー消費を抑えることができ、電気代の削減にも大きく貢献します。
オフィスの暑さ対策を行う上でまず知っておきたいこと!

暑さ対策を成功させるためには、目に見える温度だけでなく、目に見えない要素にも目を向けることが大切です。
ここでは、対策を講じる前にぜひ押さえておきたいポイントを3つご紹介します。
1. 暑さの原因を正しく把握する
同じ「暑い」でも、その原因はさまざまです。
たとえば、
- 日射による温度上昇(南向きの大きな窓)
- 空気の滞留による熱だまり
- 機器の発熱(コピー機、PC、照明など)
- 建物の断熱性能の不足
など、オフィスごとに要因が異なります。
的確な対策を打つには、まず「なぜ暑くなるのか」を正確に把握することが不可欠です。
2. 使い方・働き方との相性も考慮する
社員の多くがデスクワークを行う静かな環境では、エアコンの風が直接当たることで体調不良を訴える人が出ることもあります。
一方で立ち仕事が多いオフィスでは、足元に熱がこもりやすく、床材や空気の流れに工夫が必要です。
在宅勤務や時差出勤が浸透する中で、使われる時間帯や人数も変化しているため、「今の働き方に合った対策かどうか」を見極めることも重要です。
3. 一時的な対策と根本的な改善を使い分ける
冷風機やサーキュレーターといった手軽な対策は、一時的には有効です。
しかし、それだけに頼っていては毎年同じ悩みが繰り返されてしまいます。
本格的な暑さ対策を考える際には、「今すぐできること」と「長期的に取り組むべきこと」を切り分けて、段階的に進めていくことが成功のポイントです。
そのためにも、建物の構造や使用状況をふまえた上での専門的な視点が求められます。
【まとめ】オフィスの暑さ対策なら、お気軽にミサワリフォーム関東へご相談ください!

今回は「オフィスの暑さ対策7選と根本的な改善方法」について解説しました。
暑さ対策は、単に冷房の効き目を強めるだけでは不十分で、建物の構造や働き方に応じた多角的な見直しが必要です。
遮熱フィルムや断熱材、空気の流れの調整といった工夫は、従業員の快適性を高めるだけでなく、業務効率や企業イメージの向上にもつながります。
ミサワリフォーム関東では、現地調査から設計・施工まで、オフィス環境の最適化をトータルでサポートいたします。
「うちのオフィスにもできる対策はあるだろうか?」と感じた方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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