昨今は新築住宅のみならず、中古物件を購入してリノベーションするといった選択肢が増えています。また、長年住んだマイホームを、より快適な環境にするためにリノベーションをおこなうこともあるでしょう。
そこで、本記事では、「1,000万円で一戸建てをリノベーション!」をテーマに、リノベーションとはどういうものなのか、1,000万円あればどのようなリノベーションができるのかを詳しくご紹介します。
さらに、一戸建てリフォームやリノベーションの実例も併せて見ていきましょう。
目次
リノベーションとは
リノベーションと聞くと、どのようなことをイメージされますか。リノベーションはとくに明確な定義があるわけではありませんが、大規模な工事をおこない、間取りや住宅設備を変更したり、延床面積を増やしたりして、より住みやすくなるように改修することを指します。
リフォームとの違いは、改修する規模です。キッチンやトイレの設備を交換するのがリフォームであり、キッチンやトイレの場所を変えたり、広さを変えたり、大規模な工事が必要なのがリノベーションであるとされています。
なお、近年では政府も「既存住宅市場の活性化」に力をいれており、「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う」社会に移行することを目指してさまざまな施策を行っています。
<参考>
国土交通省:「既存住宅・リフォーム市場の活性化に向けた取組み」
環境省:「環境省・経済産業省・国土交通省の連携による住宅の省エネ化の支援強化について」
1,000万円でリフォーム・リノベーションはどこまでできるの?
中古の戸建て住宅を購入してリフォームやリノベーションを検討している方や、今住んでいる家をより快適にするためにリノベーションしたいと思われている方もいらっしゃるでしょう。
とはいえ、予算には限りがあり、できれば費用を抑えてリノベーションしたい方が多いのではないでしょうか。ここでは、1,000万円の予算で、どこまでリフォームやリノベーションできるのか項目別に詳しく見ていきましょう。
水回りのリフォーム・リノベーション
リフォームやリノベーションを検討するうえで、キッチンやトイレ、お風呂を新しくしたいと思われる方が多いでしょう。キッチンなどの水回りを最新の設備に変えると、使い勝手がよくなり、より快適な暮らしを送れます。
ただ、キッチンやお風呂は、住宅設備の中でも高額な部類に入るので、選ぶ商品によっては、想像よりも高いと感じる方も少なくありません。たとえば、キッチンを新しいものに変える場合は、最低でも50万円程度は必要になり、多機能でハイグレードな商品を選ぶと、200~400万円ほどかかることもあります。
また、お風呂については、お掃除が楽な商品や、ジェットバス機能が付いたものなど、多機能商品がたくさんあり、そういった商品を選ぶと、150~200万円ほどかかることも珍しくありません。
なお、トイレについては、グレードが高いもので30~50万円程度、一般的なものであれば10~20万程度でリフォームできます。
断熱のリフォーム・リノベーション
家の快適性を高めるために、断熱リフォームを検討している方も多いでしょう。断熱リフォームをおこなうことで、家の断熱性能があがり、寒さが厳しい冬や暑さが厳しい夏でも快適な暮らしを送れるでしょう。
ただ、断熱リフォームといっても、どの範囲をどの程度までおこなうかによって、費用に大きな違いがあります。たとえば、新しい断熱材を充填したり、窓を樹脂サッシのトリプルガラスに変更したりする場合、建物の面積や窓の数によっては200万円以上かかるケースも少なくありません。
そして、断熱工事を行う壁、床、天井の面積に応じて、金額が変わるため、広い範囲で工事を行う場合は1,000万円を超えることもあるでしょう。
とはいえ、断熱リフォームをおこなうことで、断熱性能が格段にあがることから、冷暖房効率が高まり、工事前よりも光熱費を抑えられたり、快適に過ごせるといったメリットがあります。
リビング・間取りのリフォーム・リノベーション
リビングや間取りを一新させるリノベーションをしたい方もいらっしゃるでしょう。たとえば、もともと4LDKだった間取りを、こどもが巣立ち、家族構成や生活スタイルが変わったことで、3LDKや2LDKにするといったリノベーションが注目を集めています。
また、将来的なことを考え、2階建て住宅ではあるものの、1階スペースで生活を完結できるように、水回りや寝室、リビングのレイアウトを変えるといったリノベーションもおすすめです。
リビングや間取りの変更には、大規模な工事が必要になるケースも多く、費用が高額になることも少なくありません。
たとえば、リビングの床材やクロスを一新する場合は、リビングの面積によるものの、15~200万円程度かかることが多いでしょう。また、和室を洋室に変更する場合は20~100万程度かかることがあります。
そのほか、間取りを変更する場合は、壁を壊したり、新しい壁を新設したりする必要があり、大規模な工事になることから、100~400万円以上かかるケースも珍しくありません。
1,000万円のリフォーム・リノベーションの範囲は?
上記のとおり、項目別にリフォームやリノベーションにどれだけの費用がかかるかをご紹介しました。予算1,000万円であれば、家の内部はある程度のリフォームやリノベーションをおこなうことが可能でしょう。
ただし、これらに加えて外壁、屋根を含むリフォームやリノベーションを行う場合は、1,000万円を超えるケースが増えてくるでしょう。
暮らしの中で、どのあたりに課題があるのかを明らかにし工事の優先順位を決め、どの範囲をどれだけリノベーションするかを決めていかなければなりません。
予算と工事内容に悩まれている方は、リフォームやリノベーションの専門業者であれば経験豊富な設計士がいるので、相談することをおすすめします。
築30年、築40年、築50年のリフォーム・リノベーションは予算1,500万円、2,000万円になることも
建物の築年数や構造に加え、希望の間取りや設備によっては、予算1,000万円では足らない場合もあるでしょう。とくに、築30年、築40年、築50年など年数が経っている場合、住宅設備もほぼ入れ替えることになるほか、基礎や構造部分の改修が必要になることもあります。
とくに築40年、築50年以上の建物の場合、十分な断熱材が充填されていなかったり、サッシや窓が断熱タイプではなかったりするので、家の断熱性を上げるためのリフォームをおこなう場合は高額な費用がかかることも珍しくありません。
また、屋根や外壁が劣化していることが多く、建物の寿命を延ばすためにも、大がかりなメンテナンスが必要になります。
さらに、築30年、築40年、築50年などの築年数が古い家の場合、建物を維持するために屋根塗装や外壁塗装が必要となり、それだけで100~300万円程度かかってしまいます。
木造住宅であればさらに、シロアリ対策をしたり、耐震補強工事などをおこなったりしなければならないケースもあるので、築年数が古い場合は、予算を1,500万円や2,000万円ほど見ておいたほうがいいでしょう。
一戸建て住宅のリフォーム・リノベーションの注意点
一戸建て住宅をリフォームやリノベーションすることで、より快適な暮らしを実現できます。ただ、実際にリフォームやリノベーションするにあたり、いくつか注意しなければならにことがあります。
では、どのようなことに注意しなければならないのか、具体的に見ていきましょう。
一戸建て住宅のリフォーム・リノベーションの注意点①|仮住まいを用意しなければならない
リフォームやリノベーションの規模や内容によっては、工期が1~3か月以上かかることがあります。工事中は別に仮住まいを用意するのが一般的であり、仮住まい用の賃貸アパートなどを自分で探さなければなりません。
また、住宅ローンを支払っている場合は、毎月のローン返済に賃料が上乗せされるので、固定費の負担が増えてしまうことに留意しておく必要があるでしょう。
なお、ペットを飼っている場合は、ペット可の賃貸物件を探さなければならず、見つけるまでに時間がかかったり、想像よりも高い賃料を支払わなければならなかったりするケースもあります。
一戸建て住宅のリフォーム・リノベーションの注意点②|住宅ローンを使えないことがある
通常、住宅ローンは住居用の建物を購入するときにしか使用できません。そのため、すでに住んでいる家をリフォーム・リノベーションする場合は、住宅ローンを利用できないのが原則です。
ただ、リフォームやリノベーションを対象とした低金利のローンも用意されているので、そういったローン商品を上手く活用すれば、自己資金が少なくてもリノベーションできます。
そのほか、中古の戸建て住宅の購入と併せてリノベーションする場合については、住宅ローンを利用できるケースもあります。ただ、金融機関の判断によっては、必ずしも利用できるとは限らないので、中古物件の購入とリノベーションを併せておこないたい方は、リフォーム会社、不動産会社、金融機関などの担当者に相談してみましょう。
一戸建て住宅のリフォーム・リノベーションの注意点③|完成形をイメージしづらい
戸建て住宅のリフォームやリノベーションは、図面をもとに工事がおこなわれるので、完成形を見ることができません。そのため、思っていたのと違った雰囲気に仕上がったり、想像とは異なる完成形になったりしてしまうこともあるでしょう。
過去の施工実績が豊富なリフォーム・リノベーション会社であれば、過去の施工前・施工後の写真からイメージを膨らませることができます。昨今は3Dパースを活用したプランニングも増えていますが、実績が多い会社に過去の実例を見せてもらった方がよいでしょう。
一戸建てリフォーム・リノベーションの施工事例
リフォームやリノベーションをおこなうことで、建物の寿命を延ばせるだけでなく、より快適な暮らしを送ることができます。
しかし、実際の施工後の状態がどのような雰囲気になるのか、仕上がりが気になる方も多いでしょう。
そこで、ここからは、実際の一戸建てリフォーム・リノベーションのさまざまな施工事例をご紹介します。リフォーム・リノベーションをご検討中の方はぜひ参考にしてください。
一戸建てリフォーム・リノベーションの施工事例①
築34年の一戸建て住宅のLDKや洗面所、寝室や階段、玄関などをフルリノベーションしています。壁や天井は白で統一されており、床材には優しい色合いのベージュカラーを選んでいることから、全体的にシンプルで明るい印象に仕上がっています。
一戸建てリフォーム・リノベーションの施工事例②
築24年の一戸建て住宅をリノベーションし、キッチンを大移動して、センターキッチンを実現しています。ダイニングの天井を木目にすることで、デザイン性の高い空間を演出しています。
さらに、リビングスペースには間接照明を配置することで、夜も雰囲気のある空間に仕上がっています。
一戸建てリフォーム・リノベーションの施工事例③
築26年の一戸建て住宅のリビングやダイニング、キッチンや玄関などを、デザインと機能性を上げるためにリノベーションしています。
キッチンをインテリアの一部として上手く活用するため、ステンレス調のデザイン性の高い商品を選択しています。また、あえて吊り戸をつけないことで、抜け感を確保しており、開放感の溢れるLDKとなっています。
一戸建てリフォーム・リノベーションの施工事例④
こちらは、築45年の一戸建て住宅をリノベーションした実例です。建物の構造体を残し、全面的にリノベーションすることで、まるで新築物件のような仕上がりになっています。
キッチン周りは白基調で配色されており、生活感のある雰囲気になっています。また、トイレはタンクレストイレを採用しており、すっきりとした印象が特徴です。
一戸建てリフォーム・リノベーションの施工事例⑤
こちらの一戸建て住宅は築25年であり、自然素材を活かしたリノベーションがおこなわれています。もともと和室2間だったところを、セカンドリビングと寝室にリノベーションされており、床材には無垢檜と杉の羽目板が採用されています。
また、天井の一部の間接照明を設けることで、モダンな雰囲気も演出しているのが特徴です。
まとめ
今回は「1,000万円で一戸建てをリノベーション!」をテーマに、リノベーションとはどういったものなのか、そしてリノベーションの項目別費用相場をご紹介しました。リフォームやリノベーションをおこなうことで、より快適な暮らしを実現できるでしょう。
ただし、一戸建て住宅をリフォーム・リノベーションするときは、完成形をイメージしにくかったり、仮住まいを用意しなければならないといった注意点もあります。
そのため、予算内でどのようなことができるのか、快適な暮らしを送れるようにどういったリフォームやリノベーションをするべきなのか、さらに仮住まい用意の仕方など、しっかりと提案してくれる業者を見つけることが大切です。
埼玉や千葉、茨城、群馬でリフォームやリノベーションを検討している方は、ミサワホームリフォーム関東にご相談ください。
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