外壁のリフォーム・メンテナンスっていつやればいいの?費用はどれ位かかるの?まずは何をしたらいいんだろう?きれいにしたいと思っていても、何から手を付けたらいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。ここでは外壁のリフォームについて、徹底解説します。
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外壁材の種類・リフォームの方法について
今お住まいの外壁材に何を使っているのか、どのようにリフォーム・メンテナンスをしたら良いのか、まずは一つずつ見てみましょう。
まずはお住まいの外壁材について確認しましょう(モルタル・サイディング)
外壁材には主に2種類あります。
従来では「モルタル」と呼ばれる、水とセメントと砂を混ぜ合わせた素材で造られた外壁材が主流でありました。職人が手作業で外壁を仕上げる為、模様や凹凸、色など様々なデザインに対応できました。また、後述するサイディングに必要なシーリングが必要ない為、外壁材の繋ぎ目がないのも特徴の一つです。オリジナリティのある外壁にしたい、という方にもおすすめの種類です。
近年では施工性・防火性にも優れた「サイディング」が主流となってきました。普及する中で人気があるのは「窯業系サイディング」と呼ばれる、セメントを成型して造られる外壁材です。工場で成型したサイディングを現場に運び組み立てていく為、品質が安定しており、施工期間もモルタルに比べ短縮できるのが特徴です。
サイディングには必ず「シーリング」工事が必要になります。
サイディング同士を繋ぎ合わせる為の役割がありますが、一番は漏水の防止と、サイディングボード同士の衝撃や負荷を和らげる緩衝の役割を兼ね備えています。サイディング材自体には防水の役割はなく、表面の加工とシーリング材の方に役割があります。その為、シーリング材に不具合や劣化があると、そこから雨水が侵入し、雨漏れが発生してしまうケースが起こりやすくなってしまいます。また、サイディング材は湿度や気温の変化によって伸縮します。その為、サイディング材を繋ぎ合わせるシーリング材にも伸縮性が必要になります。施工したばかりの頃は、シーリング材を触るとぶよぶよとゴムの様な感触です。しかし、年数が経つと固く収縮してしまう為、ひびが入ったり剥離したりと劣化が進みます。
モルタルのリフォーム方法・費用の目安
モルタルのリフォーム・メンテナンスは「塗装」が主となります。
施工費も安価に抑えられるリフォーム方法です。30~40坪の建物ですと、モルタル塗装の費用の目安は80~120万円になります。※外壁以外の塗装費用・足場仮設費等除く
しかし、塗装の前にはしっかりと外壁の状態を確認しましょう。地震や経年劣化により、モルタルにひび割れ・クラックが起きている場合には要注意が必要です。長くその状態が続いていると、そこから雨水が侵入し、内部の木材を傷めてしまっている可能性があります。木材に水分が含んだ状態のまま塗装を施すと、水分が蒸発する際に塗装の塗膜層を押し上げ、水膨れのように塗膜が膨らんだり、塗膜が剥がれてしまったりしてしまいます。せっかく綺麗になったとしても、再び補修をしなければならなくなってしまいますので、先ずは現在の外壁の状態をよく確認する事が大切です。
サイディング(シーリング)のリフォーム方法・費用の目安
モルタルと同様に、サイディングのリフォーム・メンテナンスは「塗装」が主となります。
30~40坪の建物ですと、費用の目安は80~120万円ですが、そこにシーリング工事も20~30万円程掛かってきます。 ※外壁以外の塗装費用・足場仮設費等除く
しかしながら、サイディング材の状況によっては「張り替え」または「被せ(重ね張り)」が必要となる場合もあります。長期にわたってメンテナンスをしていなかった場合、内部の木材を傷めている可能性があります。先述のモルタルと同じく、 木材に水分が含んだ状態のまま塗装を施すと、水分が蒸発する際に塗装の塗膜層を押し上げ、水膨れのように塗膜が膨らんだり、塗膜が剥がれてしまったりしてしまいます。せっかく綺麗になったとしても、再び補修をしなければならなくなってしまいます 。その場合には、一度既存のサイディング材を剥がして張り替える、または上から新しいサイディング材を被せる方法を取る場合があります。
サイディングのリフォームで一番大切なのはシーリングの工事です。細かく見ると、シーリング工事には2種類方法があります。
一つ目はシーリングの「増し打ち」です。こちらは既存のシーリング材は撤去せず、上から新しいシーリング材を重ねていく工法になります。撤去の手間がなく、材料費も抑えられることから費用を下げることができます。しかし、既存のシーリング材は残ったまま重ねる為、新しいシーリング材の層が薄くなってしまいます。その為、比較的劣化が早く顕著に表れやすく、リフォームの周期を短く検討しなければなりません。
二つ目はシーリングの「打ち替え」です。こちらは既存のシーリング材を撤去してから、新しいシーリング材を打っていく工法になります。根本から新しいシーリング材に変えることができる為、劣化のスピードは比較的ゆっくりです。ミサワリフォーム関東では、シーリング工事は「打ち替え」を標準工事としています。
外壁のリフォームはいつ頃行うと良い?
外壁材のリフォーム方法が分かったところで、次に気になるのはリフォーム・メンテナンスをいつ行えばよいのか?ここでは、塗料材やリフォームのタイミングについて解説いたします。
外壁塗料の耐用年数
外壁のメンテナンス方法として「塗装」が主であると述べました。塗装工事で使用する塗料には様々な種類があり、それぞれ特徴や耐用年数が異なるのはご存知でしょうか?リフォームで良く使用される塗料材についてご説明します。
項目 | アクリル系 | ウレタン系 | シリコン系 |
---|---|---|---|
耐汚染・耐候性 耐カビ・防藻性 | ★ | ★★ | ★★★ |
耐用年数 (目安) | 4~6年 | 7~10年 | 10~15年 |
価格指数 | 0.5 | 0.9 | 1 |
塗料の特徴 | 安価 | 密着性が良い | 普及率 が高い |
項目 | フッ素系 | 光触媒 | 遮熱塗料 |
---|---|---|---|
耐汚染・耐候性 耐カビ・防藻性 | ★★★★ | ★★★★ | シリコン系 ★★★ フッ素系 ★★★★ |
耐用年数 (目安) | 15~20年 | 20年 | シリコン系 12~15年 フッ素系 15~20年 |
価格指数 | 1.2~1.5 | 1.8~1.9 | 1.1~1.3 |
塗料の特徴 | 耐久性 が高い | セルフクリーニング 効果がある | 節電・省エネに効果的 |
リフォームにおいて良く使用される塗料材は「シリコン系」「フッ素系」になります。
標準仕様と言われるのが「シリコン系」です。耐久性と価格のバランスが良く、現在最も使用されている塗料材になります。
こちらより、耐久性が良く、価格が少し上がるものが「フッ素系」です。耐用年数をご覧頂いて分かる通り、シリコン系と見比べると約5年間の差異があります。例えば、10~15年毎に定期的に外壁をメンテナンスするご家庭であれば、シリコン系の塗料を採用しても良いかと思いますが、少しでもメンテナンスにかかる出費の周期を伸ばしたい、というお考えであればフッ素系を選択されるのも良いかと思います。現在の状況に加え、次のメンテナンスがいつ頃になるのか、という先の事も見越して選択すると良いでしょう。
また、現在「光触媒」「遮熱塗料」と呼ばれる塗料材もあります。
「光触媒」とは、塗料に含まれている酸化チタンが太陽光(紫外線)に反応することで、外壁に付着した汚れを分解し、雨水で洗い流す機能を持った塗料材です。フッ素と同様に耐久性が良いとされていますが、価格帯が高めな塗料材ですので注意が必要です。
「遮熱塗料」とは、太陽光からの近赤外線を効率よく反射する機能を持った塗料材です。熱の吸収を抑制し、建物内部への熱量の進入を抑え、室内温度の上昇を緩和します。特に、太陽光が当たりやすい屋根に使用されることが多い塗料材です。
外壁の状態・劣化具合を点検しましょう(無料点検)
外壁は様々な影響を受けて劣化します。主に「紫外線」「雨水(水分)」「気温(湿度)」「空気中の酸素・二酸化炭素」の4つが挙げられます。
また、周囲の環境によっても劣化の進み具合が異なります。例えば、近隣と競って配置された建物ですと、建物間の隙間が細く、空気が淀みがちになってしまいます。その為、湿気が溜まりやすく、特に日が当たりにくい北側に苔・藻が生えやすくなってしまう、という場合もあります。
代表的な劣化のサインを見逃さずに、早めにメンテナンス・リフォームを検討しておくのがおすすめです。
代表的な劣化のサイン①塗膜の劣化(チョーキング現象)
塗膜が劣化すると顔料が露出し、外壁を擦ると手に白っぽい粉状のものが付くようになります。これをチョーキング現象と言います。こちらは塗膜が劣化しているサインとして、一番簡易的に分かる状態です。特に紫外線が当たりやすい南面から劣化が始まりやすいサインになります。
代表的な劣化のサイン②藻・苔・カビの発生
新築時はキレイであった外壁も、時間が経つにつれて段々と汚れが付着してきます。特に日当たりが悪い場所に藻・苔・カビが生えやすいと言われています。藻・苔・カビが発生する場合には、その部分の水切れが悪くなっている、つまり塗膜が劣化しているサインである可能性があります。
代表的な劣化のサイン③ひび割れ・クラックの発生
地震による揺れの影響、塗膜自体の劣化などの要因によって、外壁にひび割れが発生する場合があります。ひび割れの状態にもよりますが、その状態で雨や水分が浸水してしまうと、内部の木部にまで侵入し、木部を傷めてしまう可能性があります。ひび割れを見つけた際には早めにメンテナンスを検討すると、余計な費用が掛からずに済むでしょう。
代表的な劣化のサイン④シーリング材の亀裂
上下階の継ぎ目、壁の継ぎ目などに使われているシーリング部分は永久的なものではありません。紫外線や雨・熱の影響で劣化すると表面亀裂や剥離が発生し、そこから雨水などが侵入して躯体を傷めてしまいます。特にサイディング材を使用している建物の場合、よく注意してみると良いでしょう。
ミサワリフォーム関東では無料点検を実施しています
ミサワリフォーム関東では建物の点検・点検後の報告書の作成・メンテナンスのご提案見積書まで、無料で承っております。ご希望の方は下記より受付中。
外壁のリフォームについての注意点
最後に外壁をメンテナンス・リフォームする際の注意点についてお話致します。それは「リフォームの時期」についてです。
外壁をリフォームする際に、一番の懸念点は天候です。もちろん雨が降ってしまった場合には、工事は延期となります。その為、工事が終わる期間が延ばし延ばしになってしまいます。特に梅雨の6~7月、そして台風シーズンの9~10月には注意が必要です。また、降雪があった場合にも工事は延期となってしまいます。また、工務店やリフォーム会社に依頼してから工事着手まで、時間が掛かる場合があります。外壁のリフォームをご検討の方は、なるべく早めに依頼すると、安心して工事を進めることが出来るでしょう。
外壁のリフォームで補助金は使える?
県や市町村の補助金を使用できる場合があります。詳しくは各県・市町村のホームページ、または下記ページをご確認下さい。
外壁のおしゃれなリフォーム事例
外壁のリフォーム事例1:屋根外壁のメンテナンスで外観イメージをガラリと一新
傷みの出ていた屋根は被せ工法を行い、外壁はレンガ調デザインの金属製外壁材を重ね張りする工法で、既存の屋根外壁を残したまま短い工期で施工。サンルームを新設し、お庭には明るい色のタイルデッキを組み合わせることで、温かみのある外回りを実現しました。
外壁のリフォーム事例2:室内と合わせ和モダンな雰囲気の外壁
屋根、外壁は和モダンな雰囲気の素材で再構築しました。趣を感じながらも、高耐久で断熱性に優れ、お手入れのしやすい外装となっています。
外壁のリフォーム事例3:旅館の顔である玄関をお洒落な印象に
玄関まわりの外壁は、櫛引仕上げを施し、趣のある仕上がりになりました。引違い2枚玄関ドアに変更し、断熱性の向上と、デザイン性アップ、開閉もスムーズになりました。ドアの色と外壁に一体感が出るよう、外壁の塗装色にもこだわりました。