リノベーションをすることで、中古住宅や築年数の経った住まいを、自分好みに生まれ変わらせられます。
その際、理想の空間づくりを叶えるうえで重要なのが、“信頼できるリノベーション会社”を選ぶことです。
しかし、リフォーム・リノベーション業者のトラブルがニュースになることもあり、いざ会社を選ぼうとすると、「何を基準に選べばいいのか分からない」「費用や対応力にどんな違いがあるの?」と悩むケースも多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、リノベーション会社のタイプや選び方のポイント、後悔しないための見極め方などをわかりやすくご紹介します。
これからご自宅をリノベーションしようか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
リノベーションとは
リノベーションとは、既存の建物に対して新たな価値や機能を加えるための、大規模な改修工事を指します。
単なる修繕にとどまらず、暮らしやすさやデザイン性の向上を目的として、間取りの変更や設備の一新、内装の全面改装などが行われます。
ライフスタイルの変化に合わせて住まいを一新したい場合や、デザインや素材にこだわった空間づくりを実現したい場合によく選ばれます。
また、住宅の性能や資産価値を高める目的でリノベーションするケースもあり、長く快適に暮らせる住まいを求める方にも人気を集めています。

リフォーム・リノベーション会社の種類(タイプ)
リフォーム・リノベーションを手がける会社には、いくつかのタイプがあり、それぞれに異なる強みや特徴があります。
ここでは代表的な3つのタイプをご紹介しますので、どのような会社が自分たちの希望に合うのかを見極める参考にしてみてください。

大手住宅メーカー系のリノベーション会社
大手住宅メーカー系のリノベーション会社は、安定したブランド力と豊富な施工実績、そして充実した保証制度が魅力です。
設計から施工、アフターフォローまで一貫して対応できる体制が整っており、かつ、新築住宅のデザイン性、耐久性、耐震性などを高めるノウハウも持っているため、品質やデザインの面でも高いレベルが期待できます。
そのため、「せっかくリノベーションするなら、長く安心して住める上質な空間にしたい」という方におすすめの選択肢です。
設計事務所系・建築家とのリノベーション
設計事務所や建築家と行うリノベーションは、空間デザインに強いこだわりを持ちたい方に向いています。
独創的なアイデアや細部まで設計されたプランなど、オリジナリティあふれる住まいを実現できるのが大きな魅力です。
特に「他にはない個性的な空間をつくりたい」という方にはぴったりですが、費用が高くなりがちな点には注意が必要です。
工務店・地域密着型のリフォーム会社
地域に根ざした工務店やリフォーム・リノベーション会社は、きめ細かな対応や価格の柔軟さに強みがあります。
自社施工でコストを抑えながら、住まい手の要望に寄り添った提案が期待できる点も魅力です。
ただし、デザイン性や提案力には会社ごとに差があるため、事前に施工事例や担当者の対応をしっかり確認して選ぶようにしましょう。
リフォーム・リノベーション会社を選ぶときのポイント
リフォームやリノベーションの満足度は、会社選びで大きく左右されます。
ここでは、後悔しないためにチェックしておきたい4つのポイントをご紹介します。

施工実績と事例の豊富さを確認する
リノベーション会社を選ぶうえで、施工実績の豊富さは最も重要なポイントです。
実績の数が多く、ホームページやカタログで具体的な事例を公開している会社は、技術力や対応力の面でも安心して任せやすい傾向があります。
一方で、実績紹介がほとんどない会社や、事例が曖昧な会社は、施工数が少ない可能性があったり、完成後のイメージが湧きにくかったりなど、不安が残る可能性があるので注意が必要です。
そのため、事例が豊富で、自分の希望に近いデザインや間取りの事例があるかどうか、事前にしっかりチェックしておきましょう。
得意分野と空間の提案力を見極める
リフォーム・リノベーション会社には、それぞれ得意とする分野があります。
たとえば、水回りの更新が得意な会社や、間取り変更に強みを持つ会社など、特徴を見極めることが大切です。
そして、単に設備を取り替えるだけでなく、キッチンや浴室、トイレなどをコーディネートし、「空間」としての提案ができるかも確認しましょう。
例えば、水回りの設備は新しくなったものの、動線がおかしくなってしまったり、デザインが合わなかったりする可能性もあります。
キッチン全体やLDK全体を考慮した改善や、脱衣所も含めた浴室まわりの改善などは、空間全体を対象としたリフォーム・リノベーションを日頃から行っていないと対応できないことが多いでしょう。
担当者との相性と提案力を見極める
リノベーションは、依頼した会社の担当者とのやり取りが長期間にわたるため、相性や信頼感が非常に重要です。
こちらの要望をしっかり聞き取り、的確に汲み取ったうえで、具体的かつ現実的な提案をしてくれるかを見極めましょう。
また、工事に関する説明がわかりやすく、リスクや注意点もきちんと伝えてくれるかどうかも判断基準になります。
「この人となら安心して任せられる」と感じられるかが、満足のいくリノベーションにつながる鍵です。
口コミや評価は「内容」に注目する
リノベーション会社を調べる際、多くの方が意識するのが、ネット上の口コミや評価です。
このとき、評価の「星の数」だけでなく、実際のコメント内容に注目しましょう。
たとえば、「担当者が丁寧に対応してくれた」「予算内で希望どおりに仕上がった」など、具体的な体験談が記載されている口コミは、信頼性が高い傾向があります。
反対に、内容が曖昧だったり同じような不満が複数見られたりする場合は、慎重な判断が必要です。
失敗しないリフォーム・リノベーション会社の見分け方
リフォーム・リノベーションで失敗や後悔をしないためには、「自分たちが何を重視するか」を明確にしたうえで、会社を比較・選定していくことが重要です。
そのためには、価格やデザイン性だけで判断するのではなく、自分たちの理想や課題に対して適切な提案をしてくれる会社かどうかを見極める視点が欠かせません。
ここでは、リフォーム・リノベーション会社選びで失敗しないために実践したい、3つのステップについてご紹介します。

自分の希望を言語化し、優先順位を整理する
まずは、「どんな空間で、どんな暮らしがしたいのか」を具体的に書き出すことから始めましょう。
たとえば、「おしゃれなデザインにしたい」「水回りの使い勝手を改善したい」「素敵な空間を提案してほしい」といった希望を明確にしておくことが大切です。
また、要望のなかで何を最優先にしたいのか、逆に妥協できる点はあるのかも整理しておくと、会社からの提案内容を客観的に比較しやすくなります。
自分たちの思いを言語化しておくことが、納得のいくリノベーションへの第一歩です。
会社の特性と、自分の希望との相性を見る
リノベーション会社によって、対応できる工事の範囲や提案内容には大きな違いがあります。
設備の交換のみを行う会社もあれば、間取り変更や内装・断熱・収納計画まで、住空間全体をトータルで提案できる会社もあります。
将来的なライフスタイルの変化や要望の追加にも柔軟に対応できるよう、最初から幅広いリフォーム・リノベーションに対応できる会社を選んでおくとよいでしょう。
初回相談で「信頼できる会社か」を見極める
リフォーム・リノベーション会社選びの決め手となるのが、実際に相談したときの対応力です。
まず、担当者がこちらの話を丁寧に聞き取り、要望に寄り添った提案をしてくれるかどうかがポイントになります。
また、メリットだけでなくリスクや課題についても正直に伝えてくれるかどうかは、信頼できる会社かを判断するうえで重要な材料になります。
さらに、見積もりの内容が明確で、不明点や追加費用の可能性についても説明があるか、過去の施工実績が十分にあるかどうかも忘れずにチェックしておきましょう。
リフォームとリノベーションはどちらがおすすめ?
リフォームとリノベーションは、目的や住まいの状態によって適した選択肢が異なります。
ここでは、それぞれに適したケースをご紹介しますので、自分たちの目的に合った方法を検討する際の参考にしてみてください。

リフォームに向いているケースとは
リフォームは、「壊れている部分を直す」「古くなった設備を交換する」といった修繕・更新が目的のケースに適しています。
たとえば、壁紙の張り替えやキッチン・浴室などの水回りの入れ替えといった、部分的な工事が中心です。
設備の老朽化や見た目の古さが気になるものの、間取りや構造はそのままで問題ない場合には、リフォームで十分対応できます。
必要なところだけを効率よく整えることで、費用を抑えながら快適さを取り戻したい方におすすめの選択肢です。
リノベーションに向いているケースとは
リノベーションは、「今の暮らしに合わせて間取りを変えたい」「もっとデザイン性の高い住まいにしたい」「断熱性や耐震性を最先端の基準に合わせたい」といった希望を叶えたい方に適しています。
住空間全体を見直し、性能や機能も含めてグレードアップできるのが大きな魅力です。
また、「将来の資産価値を高めておきたい」「ライフスタイルの変化に合わせて住まいを再設計したい」といったニーズにも対応できます。
暮らしそのものを大きく変えたい場合は、リノベーションを選ぶと満足度の高い住まいが実現しやすくなるでしょう。
リフォーム・リノベーションの費用目安
リフォームやリノベーションを検討するうえで、気になるのが費用の目安です。
工事の内容や規模、建物の状態によって大きく変動しますが、あらかじめ大まかな相場を把握しておくことで、予算計画が立てやすくなります。
ここでは、マンションと戸建てそれぞれの坪単価の目安と、代表的な予算別の工事内容の例をご紹介します。

マンションリフォーム・リノベーションの坪単価
マンションのリフォーム・リノベーションにかかる費用は、内容によって幅がありますが、一般的には1坪あたりおおよそ25万円〜60万円程度が目安です。
たとえば、壁紙や床材の張り替えなど、表層を中心とした部分的なリフォームであれば、25〜35万円/坪前後に収まるケースが多く見られます。
一方で、間取り変更や配管工事、断熱性能の向上などを含むフルリノベーションとなると、45〜60万円/坪程度まで上がるのが一般的です。
また、マンションでは共用部分に関する制約や、資材搬入のルート確保といった条件によって、追加費用が発生することもあるため、事前確認が欠かせません。
一戸建てリフォーム・リノベーションの坪単価
戸建て住宅のリフォーム・リノベーションは、マンションと比べて工事の自由度が高い一方で、工事範囲が広がりやすいため費用も上がる傾向があります。
一般的な相場としては、1坪あたりおおよそ30万円〜100万円程度が目安とされています。
たとえば、内装のリフレッシュや設備の入れ替えといった比較的軽微な工事であれば、30〜50万円/坪程度で対応できるケースが多いです。
一方で、外壁や屋根の修繕、耐震補強、断熱改修、床下の構造補強などが含まれる場合は、70万円以上/坪になることも珍しくありません。
特に築年数が30年以上経過している木造住宅では、構造や配管の見直しが必要になることが多く、結果としてフルリノベーションに近い規模の工事になるケースもあります。
300万円のリフォーム・リノベーション
予算300万円程度で行えるのは、主に部分的なリフォームや設備交換が中心となります。
たとえば、キッチンや洗面台といった水回り設備の入れ替え、フローリングや壁紙の張り替えなどが一般的な工事内容です。
築浅〜中程度の住まいで、目立った構造劣化がなく「見た目を整えたい」「使い勝手を少し改善したい」といったニーズに適しています。
一方で、間取り変更や配管の移設といった大掛かりな工事には対応しにくいため、あらかじめ優先順位を明確にしたプランニングが重要です。
500万円のリフォーム・リノベーション
500万円程度の予算があれば、LDKを中心とした水回りの一新や、内装全体のリフレッシュなど、住まいの印象を大きく変えるリフォームが可能になります。
キッチン・浴室・洗面・トイレといった設備の更新に加え、床・壁・天井の内装材を一新するケースが多く見られます。
また、間取りを少し見直したり、収納の追加、建具の交換なども組み合わせやすいため、暮らしやすさの改善にもつながります。
ただし、配管工事や構造に関わる変更などは予算内に収まらないこともあるため、どこまで手を入れるかの見極めが必要です。
1,000万円のリフォーム・リノベーション
1,000万円前後の予算があれば、スケルトンリノベーション(骨組みを残して全面改修)や、フルリフォームも視野に入ってきます。
間取りの大幅な変更、住設機器のすべての更新、断熱・耐震改修といった構造面の工事を含めた、暮らしを一新するリノベーションが可能です。
中古住宅を購入して自分好みに住まいを再構築したい方や、長期的な視点で快適性・安全性を高めたい方にとって、有効な価格帯といえます。
ただし、構造や立地条件によっては想定外の費用がかかることもあるため、余裕をもった資金計画を立てることが重要です。
関連記事:リノベーションの費用相場とは?戸建てやマンションのリノベ費用はどのくらい?
おしゃれなリフォーム・リノベーション事例
ここでは、実際にリフォーム・リノベーションを実施した住まいの中から、おしゃれで機能性にも優れた事例をピックアップしてご紹介します。
間取りの工夫や素材の選び方、空間の使い方など、理想の住まいづくりに役立つヒントが詰まった事例ばかりですので、ぜひ参考にしてください。
おしゃれなリノベーション事例①
こちらは、築45年の純和風住宅を、断熱性とデザイン性の両面からフルリノベーションした事例です。

広さを活かした開放的なLDK空間には、床暖房と天井カセットエアコンを採用し、季節を問わず快適な室温を保てるよう工夫されています。
窓サッシや床・壁・天井には断熱材をしっかりと施し、冬の寒さ・夏の暑さにも配慮された住まいになっています。

北側にあった独立キッチンを南側に移動させ、家族と会話が弾む明るい対面型キッチンへ生まれ変わりました。
スパイス用のニッチ収納やモザイクタイルなど、奥さまの好みに合わせたディテールも丁寧に反映されています。

おしゃれなリノベーション事例②
こちらは、親御さまから譲り受けた築25年のマンションを、ご夫婦それぞれの生活スタイルに合わせてリフォームした事例です。

独立型のキッチンや使いづらい和室を見直し、「くつろぎ・仕事・家族時間・趣味」を心地よく楽しめるLDKへと一新しました。
本好きなご夫婦がリビングで気軽に読書を楽しめるよう、可動棚と畳コーナーを設置し、収納とくつろぎの両立を図った空間に仕上げています。

腰掛けやすい高さに設計された畳スペースは、足元が収納になっており、本などをきれいに収めることができます。
また、2つの丸型オブジェが間接照明として空間にやわらかい光を添え、背面の黒い壁面がモダンでスタイリッシュな雰囲気を演出しています。

まとめ
今回は、リフォーム・リノベーションについて、会社選びのポイントや費用目安などについて、詳しく確認してきました。
リノベーションは、自分らしい空間づくりを実現できる一方で、事前の準備やパートナー会社選びによって、その成否が大きく左右されます。
だからこそ、「どんな暮らしをしたいのか」を言語化し、信頼できる会社と一緒に、一歩ずつ丁寧に進めていくことが大切です。
今回の内容を参考に、自分たちらしい住まいをカタチにする第一歩を踏み出してみましょう。
ミサワリフォーム関東では、実際の施工事例を見学できるショールームや展示場も多数ご用意しています。
リノベーションをご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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