今住んでいる家の住み心地をよくさせるため、リノベーションという選択肢を選ぶ方が増えてきています。
しかし、リノベーションを実施するにあたって、どれくらいの費用が一般的なのかがわからず、二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、リノベーションに必要な費用相場を、一戸建てやマンションなどの建物別、広さ別などに分けて詳しく解説していきます。
また、記事の後半では一戸建てやマンションなどでの施工実例もご紹介するので、これからご自宅のリノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもリノベーションとは？
「リノベーション」とは、住み心地を改善させるために行う、住宅の改修工事を表す言葉です。建物の躯体から大幅に手を加える場合は「スケルトンリノベーション」と呼ぶこともあります。
似た言葉に「リフォーム」がありますが、こちらは住宅の原状回復や、部分的な改修工事、老朽化の改善なども表すため、より広い意味合いの言葉だといえます。全体的にリフォームを施すことを「フルリフォーム」と呼び、リノベーションと同等の意味で使われます。
また、中には「フルリノベーション」という言葉が使われる場合もありますが、こちらはリノベーションと同様の意味と捉えて問題ないでしょう。
一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会が行なったアンケート調査によると、リフォーム費用の平均額は390万円だとされています。
しかし、この中には大掛かりなリノベーションから、部分的なリフォームまでが一括りに含まれているため、実際の費用相場は一戸建て・マンションの違いや、具体的に行うリフォーム内容によって変わってきます。
それぞれのリノベーションでどのくらいの費用がかかるかについて、詳しく確認していきましょう。
出典：2022年度 住宅リフォームに関する消費者（検討者・実施者）実態調査結果報告書｜一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会
一戸建てリノベーションの費用相場
一戸建てのリノベーション費用の相場は、おおよそ300～2,000万円がボリュームゾーンになるでしょう。
とはいえ、これは小規模で部分的なものから、大規模で全体的なものまで含んだ相場なので、金額に大きく幅があります。
ここでは、全体的なリノベーションと部分的なリノベーションに分け、詳しく確認していきましょう。
全体的なリノベーションの場合
戸建て住宅で全体的なリノベーションを行う場合、費用相場は1,000～2,000万円がボリュームゾーンになるでしょう。
このとき、費用を決める大きなポイントとなるのが坪数と築年数です。坪数が多ければそれだけ工数も増えるため、費用は高くなる傾向にあります。
また、築年数が経った物件の場合、耐震や断熱の補強が必要な可能性が高まるので、その分費用が多くかかります。
また、間取りを根本から変えるような、大がかりなスケルトンリノベーションを行う際は、より高い費用がかかってくるでしょう。
内装の部分的なリノベーションの場合
戸建て住宅の内装を部分的にリノベーションする際は、一般的には300～700万円ほどの費用がかかります。
内装のうち、壁紙や天井のクロスの張り替えは「750〜1,500円/㎡」前後の金額で工事可能です。
また、フローリングの張り替えを行う際は「2万～7万円/帖」くらいの費用がかかります。
その他、キッチンやトイレなど、水回りの工事にかかる費用相場のボリュームゾーンは、以下の通りです。
| 工事場所 | 費用相場 |
| キッチン | 50～150万円 |
| 風呂（浴室） | 50～150万円 |
| トイレ | 10～50万円 |
| 洗面所 | 10～50万円 |
外装のリノベーションの場合
屋根や外壁など、外装のリノベーションの費用相場は、おおよそ70～150万円がボリュームゾーンになるでしょう。
塗装工事の場合、施工面積が広いことから、外壁の方が費用は高くなりやすい傾向にあります。しかし、屋根材から新しくする葺き替え工事を行うと、屋根のリノベーションも費用が高くなります。詳しくは業者に見積もりをとって確認するとよいでしょう。
なお、壁や屋根の工事を行うためには、専用の足場を設置しなければなりません。足場の設置費用は、工事費と別途で10～30万円程度かかってきます。そのため、屋根と外壁は期間を空けて別々に施工するより、同時にリノベーションするのがおすすめです。
マンションリノベーションの費用相場
マンションをリノベーションする場合、費用相場は300～1,500万円ほどです。
戸建て住宅の場合と同じく、部分的なものから大規模なものまで含んだ費用相場なので、以下で詳細を確認していきましょう。
全体的なリノベーションの場合
居住しているマンションを全体的にリノベーションする場合、費用相場は1,000～1,500万円がボリュームゾーンになるでしょう。
マンションの場合、戸建て住宅と違い各戸で耐震補強は必要ないですが、断熱については必要に応じて補強工事が必要です。その場合、施工費用が高額になりやすいので注意しましょう。
また、大幅な間取り変更を伴うスケルトンリノベーションの場合も、施工費用が高くなります。物件によってはスケルトンリフォームができない場合もあるので、事前に大家さんや管理会社に相談しておきましょう。
内装の部分的なリノベーションの場合
マンションの内装を部分的にリノベーションする場合、一般的な費用相場は300～700万円ほどです。費用相場と内訳のどちらも、基本的には戸建て住宅と同じと考えて問題ありません。
ただし、マンションの場合は水道管の位置などが自由に動かせないことが多いため、戸建ての場合ほど自由に施工できない可能性が高いです。また、設置場所によっては、近隣上下の部屋に生活音が届く可能性もあるため、入念な下調べと防音対策が必要となります。
なお、マンションの外装や共用部分については、住人の都合ではリノベーションできないケースが多いです。判断に困った場合は、大家さんや管理会社などに一度確認してみるとよいでしょう。
平屋のリノベーションの費用相場
平屋住宅のリノベーション工事は、おおよそ400～1,500万円が費用相場がボリュームゾーンになるでしょう。
平屋とは1階建ての家のことで、基本的な費用の詳細は、一戸建てのところで説明したものと同様です。しかし、2階以上が存在せずシンプルな構造になっていることから、スケルトンリノベーションなど大規模な工事をした場合でも、複数階層の一戸建てより工事費用が安く収まりやすい傾向にあります。
とはいえ、平屋の中には築年数の経っている古い建物もあり、その場合は抜本的な耐震工事などが必要となるため、相場より費用が高額になることも少なくありません。
古民家リノベーションの費用相場
古民家と呼ばれる古い戸建て住宅をリノベーションする際、費用相場は1,000～2,500万円ほどと高額になりやすい傾向にあります。
何をもって古民家と呼ぶか、明確な定義があるわけではありませんが、一般的には築年数50年以上のものを古民家とすることが多いです。
1981年に建築法が新基準に切り替わったため、それ以前に建てられた建物は、基本的に耐震補強の工事が必要となります。そのため、築年数50年以上の古民家をリノベーションする際は、大がかりな耐震工事から行う必要があり、必然的に費用相場が高くなってしまうのです。
古民家はそのほかにも、屋根や外壁が傷んでいたり、梁があって内装を自由に変更できなかったりと、色々な制約があります。それでも古民家の味を活かしつつ、現代の観点から住み良い住宅にしたいのであれば、相応の費用を覚悟しておきましょう。
広さあたりのリノベーションの費用相場
リノベーションの費用相場を面積ごとに表す場合、1㎡あたり10～20万円前後、坪数に換算すると1坪あたり33～66万ほどになります（1坪＝3.306㎡計算）。
これをもとに、家の広さごとの費用相場を算出すると、以下のようになります。
| 広さ（平米数） | 費用相場 |
| 50㎡ | 500～1,000万円 |
| 100㎡ | 1,000～2,000万円 |
| 125㎡ | 1,250～2,500万円 |
| 広さ（坪数） | 費用相場 |
| 10坪 | 330～660万円 |
| 20坪 | 660～1,320万円 |
| 30坪 | 990～1,980万円 |
ただし、これら面積ごとの費用相場はあくまで目安に過ぎません。ここまで述べてきた通り、実際の費用は住宅の種類や、どのような事を行うかによって上下します。
そのため、ご自宅のリノベーションにどれくらいかかるかについては、業者に見積もりを依頼して確認するようにしましょう。
リノベーションの費用別シミュレーション
ここでは、500万円や1,000万円など、費用別にどのくらいのリノベーションができるかを、詳しくシミュレーションしていきます。
これからリノベーションを検討していて、予算がある程度決まっている方は、ぜひ参考にしてください。
費用300万円でできるリノベーション
リノベーション費用が300万円の場合、一軒家にしてもマンションにしても、全体的なリノベーションは難しいでしょう。そのため、水回りや内装などの部分的な工事になります。
また、壁や屋根などの外壁工事であれば70～150万円で施工できることが多いので、戸建て住宅の外装だけをリノベーションするという選択肢もあるでしょう。
いずれの場合も、費用が300万円の場合は全体的に手を加えるのではなく、特に重視したい部分に注力するようなリノベーションを行うとよいでしょう。
費用500万円でできるリノベーション
リノベーション費用が500万円の場合、50㎡程度の広さまでであれば、全体的なリノベーションも可能です。
しかし、それを超える広さの住宅であったり、間取りを大きく変更させるスケルトンリノベーションであったりする場合は、500万円では足りない可能性が高くなります。
なお、部分的なリノベーションであれば、500万円の費用で幅広く実現が可能です。たとえば、水回りを含めた内装一式を変えるなどが、具体的な選択肢として考えられます。
費用1,000万円でできるリノベーション
リノベーション費用に1,000万円を用意できる場合、多くの住宅で全体的なリノベーションが可能です。その際、躯体からテコ入れするスケルトンリノベーションも視野に入ってくるでしょう。
一軒家やマンションはもちろん、耐震工事などが必要な古民家の場合でも、理想のイメージを実現させる大規模なリノベーションができる可能性が高まります。
一戸建てやマンションのリノベーション施工実例
最後に、ミサワリフォーム関東がこれまでに手掛けた、一戸建てやマンションのリノベーション施工実例をご紹介します。
これからご自宅のリノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
一戸建てリノベーション実例①
こちらの実例では、築50年の長屋（メゾネット）住宅を、費用1,400万円で全体的にリノベーションしています。
これからの暮らしを考えて、1階で生活が完結するよう、最新式の使い勝手のよい設備が導入されています。
主な施工箇所はリビング・ダイニング、キッチン、洗面所・トイレ、バスルーム、寝室・子供部屋、和室、階段・玄関です。間取りは変えずにリノベーションしているので、広範囲への施工が実現しています
一戸建てリノベーション実例②
こちらの実例では、築10年の戸建て住宅にて、費用750万円で部分的なリノベーションを実施しました。
主な施工箇所は、リビング・ダイニングとキッチンの2つです。既存の和室を取り込んで、広々とした一体型LDKを設計しました。
また、親子一緒に料理を楽しめるよう、作業しやすい大きなアイランドキッチンをデザインしました。
その結果、快適に料理を楽しめ、家族のふれあいがより深まる空間に仕上がっています。
マンションリノベーション実例①
こちらの実例では、築21年のマンションに、費用1,500万円で全体的なリノベーションを施しています。主な施工箇所は、リビング・ダイニング、キッチン、洗面所・トイレ、バスルーム、寝室・子供部屋、階段・玄関と広範囲です。
居住者さまがお母さまとの同居をきっかけにリノベーションを決意し、将来的に家族構成が変わることも踏まえた間取りに仕上がっています。
マンションリノベーション実例②
こちらの実例では、築50年のマンションの1階にあるお部屋を、費用600万円でリノベーションしています。
主な施工箇所はリビング・ダイニングとキッチンで、壁付けだったキッチンを対面キッチンへ変更しています。大型犬が通れるスペースを確保することにより、愛犬2頭と暮らしやすい空間が実現されています。
まとめ
今回は、リノベーションにかかる費用相場について、詳しく確認してきました。
一括りにリノベーションといっても、全体的か部分的か、一戸建てかマンションかなどによって、その費用には幅が生まれます。
そのため、まずは予算を定め、それをもとに優先順位を定めて計画を立てていけば、理想通りのリノベーションが実現するでしょう。
ミサワリフォーム関東では、記事の中でご紹介した以外にも、お客様のニーズに合ったリノベーションを数多く手がけて参りました。
一戸建てやマンションのリノベーションについて何かお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。
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