屋根のリフォーム・メンテナンスっていつやればいいの?自分じゃ見られないから自宅の屋根の状況が分からない。費用はどれ位かかるの?きれいにしたいと思っていても、何から手を付けたらいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。ここでは屋根のリフォームについて、徹底解説します。

屋根のリフォームはなぜ行うの?

屋根のリフォームはなぜするのでしょうか?まずは屋根がどんな環境にさらされているか想像してみましょう。

夏の酷暑は強い紫外線と熱、冬は土埃が混じった強風と乾燥、最近ではゲリラ豪雨やヒョウなど、厳しい自然環境から、一番上で住まいを守っています。屋根は365日ダメージを受け続けているので、当然劣化していきます。

屋根のリフォームを行う目的は、見た目を綺麗にするというのはもちろんのこと、屋根の劣化を補修し、住まいを健康な状態に保つということが一番の理由になります。屋根の劣化を見逃してしまうと、雨漏れが発生したり、被害が広がってしまう恐れがあります。屋根のリフォームは永く、快適にお住まいいただくために、建物にとって必要なメンテナンス工事であるということが分かります。

しかし、普段の生活では屋根全体を見ることがあまりなく、屋根のメンテナンスが必要と知らない方も多いようです。ここでは屋根の種類やリフォーム方法を、タイプ別に分けてご紹介します。

屋根材の種類と特徴(メリット・デメリット)について

あなたのお住まいの屋根にはどのような素材をお使いでしょうか?スレート材や瓦など、屋根材には多様な種類があり、最適な屋根のリフォーム方法は、既存の屋根材・建物の築年数・劣化の症状によって変わります。ここでは、取り扱われることが多い4種類の屋根材をご紹介します。

最も多く普及している屋根材:スレート系

セメントに繊維などを混ぜ、薄い板に加工した屋根材です。軽量なため、耐震性・施工性に大変優れており、価格も比較的抑えめな設定となっております。

色も種類豊富である為、多くの建物に使用されていますが、デメリットな点もあります。

それは「塗装のメンテナンスが必要」という点です。スレート屋根の素材自体には雨水を防ぐ防水性がない為、塗装を施すことで防水性を高めています。 塗料は紫外線や雨風などにさらされることで、いずれは劣化し剥げてしまいます。 塗装が剥げたままにしておくと防水性が失われて雨漏りの原因となるため、定期的に塗装のリフォームが必要となります。

また、塗装のメンテナンスを施さないことで起こりやすいのが「屋根材のひび割れ」です。塗装が剥がれ落ちた中で、急激な雨水の吸水と乾燥を繰り返すことでひび割れが起きてしまいます。一般的にスレート系の屋根材の耐用年数は20~30年と言われていますが、約10年ごとに塗装のリフォームが必要となります。

例:彩色スレート、カラーベスト、コロニアル等

スレート系の注意点:アスベスト(石綿)について

ここで注意したいのが、アスベスト(石綿)が混在している屋根材か否かについてです。

アスベストとは天然に産する繊維状けい酸塩鉱物のことで、石綿と呼ばれています。石綿を含む製品の出荷が原則禁止なったのは2004年になり、これ以降はアスベスト含有の建材が流通することはほぼなくなりました。アスベストを含む建材が粉塵上になり、それを人が大量に吸い込んでしまうと人体に影響を及ぼす可能性があると言われています。

屋根材の強度を高めるために、従来ではアスベストを含む屋根材が主流でありました。しかし、出荷が2004年に原則禁止となった為、その年の前後にアスベストを含まない「ノンアスベスト」という屋根材を各メーカーが製作しました。(1990〜2007年頃と言われています。)強度の要であったアスベストがなくなってしまった事で、ノンアスベストの一部に耐久性の問題があることが分かりました。

ノンアスベストの屋根材をお使いの方は、メンテンナンス・リフォーム方法として「屋根材の葺き替え」または「屋根材の被せ(カバー工法)」の2つがおすすめです。塗装ですと、屋根材の強度不足で破損してしまう恐れがあります。

種類が豊富、近年増加傾向の屋根材:金属系(ガルバリウム)

鋼板、銅板、アルミニウム板などがあり、曲面や複雑な形状の屋根に対応し、軽いので耐震性に優れバリエーションも多い屋根材です。表面に傷が付き塗装がはげてしまうとサビが発生しやすく、へこみは修復が難しいなどのデメリットもあります。

耐用年数は約25~30年といわれていますが、適切なメンテナンス・リフォームを行っていけば、それ以降も使い続けることできます(約40年前後)。

例:ガルバニウム鋼板、着色亜鉛鉄板、アルミ瓦等

最も耐用年数が長い屋根材:粘土系(陶器瓦)

粘土を瓦形に成型したものに釉薬をかけて、窯の中に入れて高温で焼き上げた瓦が陶器瓦です。陶器で作られているので強い衝撃を与えない限り、陶器瓦の寿命は半永久的(約40~60年前後)と言われています。瓦自体破損がなければ塗装などのリフォームは不要ですが、漆喰の補修は必要となります。

近年新規使用は少ない屋根材:セメント系(セメント瓦)

セメントと川砂を混ぜたモルタルを型に入れて成形し、塗装した屋根材がセメント瓦です。瓦のように並べて使用します。耐用年数は約30年前後と言われていますが、原材料がセメントなので瓦の表面に塗装を施す必要があります。また、しなやかさに欠けるため、衝撃にあまり強くないというデメリットもあります。

屋根材の下地材:防水シートについて

いずれの場合にも、屋根材の下には防水シートと呼ばれる下葺き材が設置されています。屋根材自体に防水の機能はあまりなく、雨漏れが発生しないように抑制する役割を持っているのが防水シートです。

「屋根材=美観性・防水シートの保護」「防水シート=防水」それぞれの役割があります。一般的な防水シートの耐用年数は約20~30年前後と言われているため、屋根材の耐用年数が過ぎている場合には、リフォームの際、防水シートの張替えも合わせて検討すると良いでしょう。

屋根のリフォームはいつ頃行うと良い?

屋根材の特徴が分かったところで、次は屋根材がどの様に劣化するのか、そのメカニズムについて解説します。

屋根は様々な影響を受けて劣化します。主に「紫外線」「雨水(水分)」「気温(湿度)」「空気中の酸素・二酸化炭素」の4つが挙げられます。

また、周囲の環境によっても劣化の進み具合が異なります。日が当たりにくい北側は乾きにくく、苔や藻が付着しやすい・南側は日が当たりつづけ、色あせが進行してしまう、といった劣化などがあります。

代表的な劣化のサインを見逃さずに、早めにメンテナンス・リフォームを検討しておくのがおすすめです。

代表的な劣化のサイン①塗膜の劣化(苔や藻の発生・色褪せ)

屋根材の表面を保護している塗膜が劣化すると、苔や藻が生えやすい環境となってしまいます。特に日が当たりにくい北側の屋根は常に湿気を帯びている場合もあり、塗膜の劣化を促進してしまう可能性があります。また、反対の南側に関しては常に強い日差しに晒されている場合が多く、他の屋根面に比べ、塗膜の色褪せが進みやすい環境であります。ベランダや道路から屋根の状況を確認できる場合は、上記の様な劣化が起きていないか見てみると良いでしょう。

代表的な劣化のサイン②屋根材の反り

屋根材の劣化が進むと、屋根材自体が反ってしまう場合もあります。特にスレート系の屋根材で見られる劣化のサインです。これは塗膜が劣化し、屋根材自体に水分が含まれてしまった中で、夏や冬の気温の変化によって収縮や膨張を繰り返すことで起こる現象です。この状態が続くと、反ってしまった屋根材の隙間から雨水が侵入し雨漏れが発生したり、強風によって屋根材が落下してしまう可能性があります。この様な場合では、屋根材の一部差替え、または屋根全体の葺き替えが必要になる場合があります。費用がかさむ前に、適切なリフォームを行っていくことも大切なポイントです。

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屋根のリフォーム方法・費用について

屋根のリフォームにはどんなものがあるのでしょうか?ここでは、リフォームの方法と、費用についてご紹介します。

※費用は既存の屋根材で一番多いといわれているスレート屋根を基準としています。屋根の面積、使用する材料によって大きく変わりますので、あくまで目安の費用となります。

屋根の塗装工事

屋根材の耐用年数を迎えていない、築20年未満の屋根にお勧めです。塗装により既存屋根材の劣化を抑制し、美観を保つリフォームです。30~40坪の建物ですと、屋根の塗装工事の費用目安は約40~80万円になります。※屋根以外の塗装費用・足場仮設費等除く

塗料には種類があり、耐用年数や費用も異なります。標準仕様と言われるのが「シリコン系」です。耐久性と価格のバランスが良く、現在最も使用されている塗料材になります。耐用年数は10~15年と言われています。

こちらより、耐久性が良く、価格が少し上がるものが「フッ素系」です。耐用年数は15~20年と言われています。

10~15年毎に定期的に外壁をメンテナンスするご家庭であれば、シリコン系の塗料を採用しても良いかと思いますが、少しでもリフォームにかかる出費の周期を伸ばしたい、というお考えであればフッ素系を選択されるのも良いでしょう。現在の状況に加え、次のリフォームがいつ頃になるのか、という先の事も見越して選択することが大切です。

ここで注意したいポイントは、外壁に比べ紫外線の影響を受けやすい屋根の方が早く劣化する、ということです。つまり目にあまり触れない高所で、気が付かないうちに劣化が進んでいる可能性があります。外壁はキレイそうだからまだリフォームは先でも‥と思っていても、屋根は外壁と同じ状態とは限りません。

しっかりと屋根の状態を確認した上で、適切なリフォームを計画しましょう。

≫≫外壁のリフォーム(塗装・張替え・カバー工法)を失敗しない為には?あなたのお住まいに合った外壁のリフォームを徹底解説!

屋根の葺き替え工事

屋根材自体が耐用年数を迎えていたり、防水シートや下地材の傷みが見受けられる、屋根の意匠性を変えたい場合には葺き替えがおすすめです。瓦からスレートにする、セメント瓦から金属屋根にするなど、既存の屋根とリフォーム内容によって大きく変わりますが、費用の目安は約120~250万円になります。 ※屋根以外の工事費用・足場仮設費等除く

屋根が軽いと建物の負荷が軽減され、揺れにも強くなるため耐震性が高まります。建物の耐震性を高める為に、瓦からスレート、または金属屋根に葺き替えたいという声も多く聞かれます。

欠点は多くの廃材が出る為、処分に多くの費用と手間がかかる点です。特に既存屋根材にアスベストが含まれていた場合、専門業者による適切な規制が定められていますので、費用も大きくかかってしまいます。騒音や埃などの対策、近隣の方にも注意を払う必要があります。

屋根の被せ工法(カバー工法)

屋根被せ工法(カバー工法)は、既存がスレート系の屋根材の場合に施工できます。2度目の塗装を考えている、または劣化が進んで塗装ができない、葺き替え工事よりも費用を抑えたいといった場合におすすめのリフォーム方法です。費用の目安は約100~200万円になります。

既存の屋根材を剥がさずに、上から新しい屋根材を張るため、余分な廃材を出さず環境にも優しい工法です。また断熱材が入った商品も多く、断熱性や防音性アップも期待できます。既存の屋根材の上に、再度防水シートを敷くため、防水面でも安心で、葺き替え工事に比べ短い工期でリフォームが可能です。

しかしガルバニウム等の軽量な金属を使用しても、既存の屋根の上からさらに屋根を施工するので、現在の重量より重くなってしまう事は避けられません。屋根を重くしたくない事情がある場合は不向きといえます。

屋根のリフォームを失敗しない為には

屋根の状態をしっかり点検しましょう

外壁と比べ屋根は目につき辛い高所であるため、リフォームの前にはしっかりと点検を行いましょう。点検を行うことで、今どんなメンテナンスが必要なのか、どこの状態が悪いのか、改めて住まいの状況が見えてきます。屋根の状態が分かった上で、適切なリフォームを行うことが大切です。

悪質な業者に気を付けましょう

屋根のリフォームで特に注意したいのが、どこの業者に頼むのかということです。急に飛び込んできた訪問業者から「お宅の屋根ずれてるよ」「このままじゃ雨漏れしてしまうよ」などと指摘され、修理を頼んだらかなり高額な費用を請求されたり、屋根の修理がしっかり行われなかったりする場合も耳にします。

少しでも疑問に思ったら、一人では悩まず、家族や信頼できる人に相談しましょう。または、別の業者に点検してもらうというのも一つの手です。点検結果に不信感があったら、別の専門知識を持った業者に意見を聞くことも大切な対処方法です。しっかりと信頼できるリフォーム会社に依頼しましょう。

屋根のリフォームで補助金は使える?

外装のリフォームのお悩みで多いのは「費用が高い」ということ。施工面積が大きい分費用も高くなり、つい後回しになってしまいがちです。

そんな時に忘れてはいけないのが、国や自治体の補助金制度です。ミサワリフォーム関東では、リフォームをご検討の方必見の補助金情報をご紹介しています。費用面でリフォームを諦めていた方も、一歩踏み出してみませんか?

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