都市を巻き込んだ独自空間で活動的なイメージのホテルに。
埼玉県鶴ヶ島市 鶴ヶ島ホテル様

クライアント様は、営業を終了していたホテルを買い取り、必要最小限の範囲を改修して新規にオープンさせたいとのお考えでした。
既存建物にどこまで手を入れるべきかをクライアントと我々で相談しながら決めていくところからプロジェクトがスタートし、最終的にフロント・ロビーのデザインを一新、朝食提供スペースを設ける、客室は最小限の改修、外観は変えずに防水メンテナンスとサインの架け替えといった工事内容が決定しました。
デザインとして、まずは古い既存建物に対して径年変化で味わいが感じられる素材を採用することで時間ともに建物全体が馴染んでいくような空間を目指しました。床や壁は左官仕事によるモルタル仕上げ、什器は集成材を主に用いています。プランでは朝食提供時の混雑を緩和できるよう、提供から着席、返却まで一筆書きの動線となるよう計画しました。さらにホテルの目の前が駅のホームであり、ホテル側の床の高さと駅のホームの高さが揃うことから、ホームのにぎわいをカフェラウンジに取り込こめるよう視線の抜けをコントロールすることで朝の活動的なイメージの創出に寄与しています。駅から見えることでホテルの宣伝にもなり、都市を巻き込んだ独自の空間となりました。
竣工後すぐのオープンとなりましたが客足は好調で、朝食提供も効率よく行えていると高い評価をいただいております。
建物用途 | ホテル・旅館 | 改修手法 | リノベーション |
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築年数 | 工事費用 | 約3,500万円 |

エントランス。壁面をセットバックして、ご宿泊のお客さまを誘導します。

フロント廻りはシンプルに。内装仕上げはモルテックス仕上とし、無機質でありながらどこかカフェを思わせるような仕上がりとしました。

ロビーからカフェラウンジへ。窓の向こうに見える駅のにぎわいを取り込み、朝の活動的なイメージを生み出します。

朝食時の効率的な動線計画に配慮した回避性のある客席プラン。書籍コーナーも設けて、ご宿泊者様のくつろぎスペースにもなります。

シングルルーム。

ツインルーム。

カフェラウンジで活用できる喫煙コーナーも設けました。煙が外に漏れ出さないよう換気計画を練った設計としています。

ロビー共用トイレは男女別に利用できるように、各ブースを個室化しました。

こちらは個室化した男性用トイレです。