マイホームを購入する際、新築以外にも中古住宅を購入する選択肢があります。
中古住宅を買ってリノベーションを施せば、新築より安く、かつ理想通りの住み心地の家を実現できます。
しかし、中古住宅のリノベーションに興味はあっても、具体的な方法やメリット、注意点などがわからず、なかなか決心がつかない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、中古住宅のリノベーションの基本から、購入からリノベーションまでの具体的な方法、メリットや注意点などに至るまで、詳しく解説します。
中古住宅のリノベーションを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
中古住宅のリノベーションとは?
リノベーションとは、住み心地を改善させるために行う、住宅の改修工事を指す言葉です。
中古住宅を購入してそのまま住むとなると、耐震性や断熱性が低くて不安だったり、各部屋の使い勝手が悪かったりすることが多々あります。
そのようなとき、希望の間取りにリノベーションすれば、理想に合った家を実現させられます。
中古住宅のリノベーションは、新築を購入するのに比べて低コストで済むこともあり、近年、人気が高まりつつあります。
リノベーションとリフォームは何が違う?
リノベーションと似た言葉にリフォームがありますが、これらはニュアンスが少し異なっています。
まずリノベーションの場合は、住み心地の改善を目的として、建物全体に行う大幅な改修工事を指すことが多いです。その一方リフォームは、機能改善や原状回復を目的とした部分的な工事から、大規模な改修工事まで幅広く表します。
中古住宅を購入して工事を行う際は、たいていが大がかりな工事になります。そのため、中古リフォームよりは、中古リノベーションと呼ばれることの方が多いでしょう。
中古住宅をリノベーションする方法・手順
ここでは、中古住宅を探してからリノベーションするまでの、一連の方法・手順について確認していきます。
これから中古物件探しを始める方は、ぜひ参考にしてください。
中古住宅を探して購入する
まずは、リノベーションするのに適切な中古住宅を探して購入するところから始めましょう。
物件を探す際は、通常と同様に不動産業者に行くのが一番です。
住宅情報誌やインターネットである程度自分で下調べしてから行くと、比較検討がスムーズに進みます。
物件探しの際は、リノベーションでは改善できないポイントである、立地や周辺の利便性などをよく確認しておきましょう。
たとえば、徒歩圏内にスーパーマーケットはあるか、駅から家までの間に急勾配の坂道はないかなど、ライフスタイルなどに合わせて判断することが大切です。
なお、人口が多いエリアでは、駅に近い場所に新築するための土地が少ないケースもあり、中古住宅を購入した方が、利便性が高くなることもあります。
戸建て物件の場合は、敷地の向きや日当たり、隣家との境界線などを確認しましょう。また、マンションの場合は、管理状態や上下・両隣からの騒音などを可能な限りチェックしておくと、入居後に安心できます。
無事条件に合う物件が見つかったら、購入してリノベーションの準備を進めましょう。なお、住宅ローンを利用する場合は、このタイミングで申し込むのが一般的です。
リノベーション会社を選ぶ
良い中古住宅が見つかったら、リノベーション会社を選びましょう。
このとき、中古物件を探す前にリノベーション会社を選び、担当者に内見へ同行してもらうのもおすすめです。そうすれば、素人では気づきにくい住宅の瑕疵(かし)や、リノベーションの可否などに関するアドバイスがもらえるでしょう。
また、リノベーションを請け負う会社の中には、不動産業も扱っているところがあります。そのような業者に依頼すれば、物件選びをしつつ、リノベーション工事についての話も同時に進められるでしょう。
なお、リノベーションを請け負う会社の中には、価格が思っていたよりも高かったり施工実績が見えにくいケースがあるため、複数の業者に相談して適正価格で希望に合ったリノベーションを実施してくれる業者に依頼しましょう。
工事請負契約を結ぶ
リノベーション会社が決まったら、中古住宅の具体的なリノベーションについて、入念に打ち合わせをしましょう。その結果、費用や完成イメージ、工事スケジュールなどに納得がいけば、いよいよ工事請負契約を結ぶことになります。
なお、リフォームローンの借り入れを予定している場合は、この時点で申し込むのが一般的です。住宅ローンは住宅購入時、リフォームローンはリフォーム(リノベーション)契約時と覚えておきましょう。
中古住宅をリノベーションして住むメリット
中古住宅を購入してリノベーションすることには、多くのメリットがあります。
ここでは、代表的な4つのメリットについて、詳細を確認していきましょう。
メリット① 好立地な物件が多い
中古住宅をリノベーションする1つ目のメリットは、好立地な物件が多く選べる点です。
せっかく住むなら使い勝手のよい土地をと考えるのは、今も昔も同じです。そのため、利便性の高い土地には既に多くの住宅が建っていて、新築を建てるとなると土地選びに苦労することが多々あります。
その点、既に建っている中古住宅を購入する場合、好立地にである物件が多いので、新築よりも土地選びの点では有利だといえるでしょう。リノベーションで家の住み心地を改善させれば、家の内と外両方の住み心地のよさを実現できます。
メリット② 建売住宅・注文住宅より費用が抑えられる
中古住宅をリノベーションする2つ目のメリットは、建売住宅や注文住宅に比べ、費用を安く抑えられる点です。
日本では、住宅は建ててから年々評価額が下がっていくため、新築に比べると同条件でも数百万~1,000万円程度安くなっていることが多いです。
中には、建築から20~30年程度が経っていて、土地代だけで購入できる中古住宅も存在します。
中古住宅の購入で浮いた予算をリノベーションに当てれば、新築と同然かそれ以上に住み心地のよい家を実現できるでしょう。
メリット③ 補助金や減税制度が利用できる可能性がある
中古住宅をリノベーションするメリットの3つ目は、補助金や減税制度を利用できる可能性がある点です。
近年では、国や自治体が高性能の住宅を普及させるため、中古住宅のリノベーションを行う人を対象に、補助金や減税制度を設けています。これらを利用すれば、リノベーションにかかる費用負担を抑えられるでしょう。
たとえば、2023年に実施されている補助金・助成金制度には、以下のものが存在します。
補助金制度 | こどもエコすまい支援事業 先進的窓リノベ事業 給湯省エネ事業 |
減税制度 | 住宅ローン控除 住宅取得等資金贈与 リフォームの特別控除 |
それぞれに金額や条件、実施期間などが異なるので、補助金や減税制度を利用する場合は、事前に詳細を必ず確認しておきましょう。
また、ほとんどの制度が、中古物件をリノベーション(リフォーム)することが前提になっています。そのため、中古物件を購入しただけでは対象にならない可能性が高い点にも注意しましょう。
【重要なお知らせ】
こどもエコすまい支援事業は、補助金申請額が予算上限に達したため2023年9月28日をもって終了しました。
メリット④ 間取りや内装、外装などを自分好みにデザインできる
中古物件をリノベーションするメリットの4つ目は、間取りなどを自分好みにデザインできる点です。
建売住宅の場合、既に決められたデザインの住宅を購入するのが一般的です。また、注文住宅なら自由にデザインできますが、その分、建築費用が高くなってしまいます。
その点、中古物件のリノベーションであれば、新築に比べてリーズナブルな費用で、自由にデザインすることが可能です。
ただし、外装までデザインできるのは中古戸建て住宅に限ります。中古マンションの場合、外装は共用部扱いとなり、リノベーションできない可能性が高いので注意しましょう。
安易に進めると後悔する?中古住宅リノベーションを行う際の注意点
以上見てきたように、中古住宅のリノベーションには多くのメリットがありますが、同時に注意点も存在します。
安易にリノベーションを進めると、着工後や住み始めてから後悔してしまう可能性があるので、十分な注意が必要です。
ここでは、特に気をつけたい5つの注意点について、詳しく確認していきましょう。
中古住宅購入時の注意点① 表面上はわからない劣化が生じている可能性がある
中古住宅をリノベーションする際、表面上はわからない劣化が基礎部分などに生じている可能性があるので、十分に注意しましょう。
基礎や躯体に劣化が生じている場合、そのままリノベーションをしても長持ちしません。
そのため、工事途中で劣化が発覚した場合、補強のために追加の工事が必要となります。
築年数が古い物件の場合は、インスペクターや一級建築士などにチェックしてもらうとよいでしょう。特に、既にリフォームやリノベーションをしている物件の場合はわかりにくいので、注意が必要です。
中古住宅購入時の注意点② 耐震性が低い可能性がある
築年数の古い中古住宅をリノベーションする場合、耐震性が低い可能性が高いので注意しましょう。
特に、1981年以前に建てられた築古物件は要注意です。1981年は「新耐震基準」が制定された年であり、それ以前に建てられた住宅は、現在の耐震基準を満たせていない可能性が高くなります。
また、2000年に「既存住宅の耐震改修促進法」が施工された影響から、2000年以前と以降の住宅でも、耐震性に大きな違いが生じています。
また、築年数以外だけでなく、施工会社などの要素によっても、耐震性の良し悪しは変わってきます。
いずれにせよ、耐震性が十分でない中古住宅の場合は、別途耐震工事が必要となることを覚えておきましょう。
中古住宅購入時の注意点③ 住宅ローンが組めない可能性がある
中古住宅をリノベーションする場合、住宅ローンが組めない可能性がある点にも注意しておきましょう。
住宅ローンとは、基本的に「住宅自体の金額」に当てられるローンです。そのため、中古住宅の購入費には適用できても、それをリノベーションする費用には適用されないことがあります。
とはいえ、すべての住宅ローンが、リノベーションに適用できないわけではありません。詳細は各住宅ローンによって異なるので、事前に詳細をしっかり確認しておきましょう。
中古住宅購入時の注意点④ 希望のリノベーションができない可能性がある
中古住宅の既存間取りとの相性によっては、大がかりなスケルトンリノベーションをしたとしても、希望の間取りにできない可能性がある点にも要注意です。
たとえば一戸建ての場合、筋交いが入った耐力壁は耐震性を担保しているため、取り外すことができません。
また、マンションの場合、柱や梁で支えるラーメン構造なら問題ないものの、壁で支える壁式構造の場合、壁を撤去する大がかりなリノベーションはできません。
希望の間取りにできるかどうかは、それぞれの住宅の建築方法との相性によります。素人目では判断できないので、購入前に必ずリノベーション会社に確認するようにしましょう。
中古住宅購入時の注意点⑤ 建築基準法に違反している可能性がある
中古住宅の中には、現在の建築基準法に違反しているものがあるので、購入前に注意が必要です。
特に注意したいのが「再建築不可物件」です。建物を建てるためには、通常幅4m以上ある道路に、住宅の敷地が2m以上接していなければなりません。しかし中古住宅の中には、周辺の新しい建物の建築や、都市計画の影響などから、この基準を満たしていないものがあります。
その場合、同じ家の形でリノベーションする分には問題ないですが、増築を伴うリノベーションや、新しく建て替えることはできません。また、各種ローンや補助金、助成金などが使えない可能性も高いので注意しましょう。
そのほか、土地に対する建物の大きさを制限する「建ぺい率」や「容積率」を違反している中古住宅もあるので、購入前に必ず確認しておきましょう。
まとめ
今回は、中古住宅のリノベーションで失敗や後悔をしないために、リノベーションの基本からメリット、注意点に至るまでを、詳しく確認してきました。
中古住宅のリノベーションは、賢く行えば新築よりリーズナブルに、かつ自分の好みを反映させた理想の家を実現できる選択肢です。
しかし、中古住宅選びで失敗すると、リノベーションに想定以上の費用がかかったり、希望通りの間取りにできなかったりといった事態になりかねないので、十分に注意が必要です。
今回ご紹介したことを参考に、よい中古物件を購入し、理想通りのマイホームを手に入れてください。
ミサワリフォーム関東では、一戸建てからマンションまで、お客様のニーズに合ったリノベーションを数多く手がけて参りました。
中古住宅のリノベーションについて何かお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。
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