自分の家を持ちたいと考えた際、新築以外の選択肢として挙がるのが、中古の戸建てをリノベーションすることです。中古戸建ては新築よりも安く購入でき、自分の理想の間取りを実現できるため、人気が高まってきています。

しかし、中には中古の戸建てをリノベーションして後悔したり、失敗したりするケースもあり、中古住宅の購入をためらっている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、中古戸建てリノベーションで後悔する原因について、詳しく解説していきます。また、リノベーションで失敗しないためのコツについてもご紹介するので、これから中古戸建てリノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

中古戸建てリノベーションとは

中古戸建てリノベーションとは、中古の戸建て住宅を購入し、それに改修工事を施したうえで住むことを表します。
リノベーション工事で追加費用はかかりますが、それを踏まえても、中古戸建ては新築と比べて購入費用を安く済ませられます。

また、建売住宅と違い、自分の好みを間取りに反映させられる点も、大きな魅力でしょう。
そのため、近年では理想の住まいを実現するため、中古戸建てリノベーションを検討する方が増えています。

中古戸建てリノベーションとは

埼玉県川越市 戸建てリノベーション実例

リノベーションとリフォームの違い

リノベーションは、主に住み心地を向上させるための改修工事を表します。そのため、部分的なものよりも、住宅全体に及ぶ大規模な工事を表すことが多いです。
その一方、リフォームは老朽化の改善や、破損個所の修繕のための工事も含め、より幅広い意味で使われます。
そのため、中古住宅を購入し、大規模な改修工事をしてから住む意味では、リフォームよりリノベーションの方が多く使われる傾向にあります。

中古住宅は賢い買い物?それとも買わない方がいい?

中古住宅は、ポイントを押さえて購入すれば、賢い買い物になります。
しかし、何も注意せずに金額の安さだけで買うと、「買わなきゃよかった」と後悔してしまうかも知れません。
そのため、リノベーション目的で中古住宅を購入する際は、後悔の原因をあらかじめ理解し、購入前に入念な確認をしておくことが重要です。
よくある後悔の原因については、次の見出しで詳しく確認していきましょう。

中古の戸建てリノベーションに失敗して後悔する原因

ここでは、多くの方がリノベーション用に中古戸建てを購入してから、失敗や後悔に繋がってしまった具体的な原因を、9つご紹介します。
これからリノベーション用の中古戸建てを探す際に、参考にしてください。

中古の戸建てリノベーションに失敗して後悔する原因

後悔する原因① 基礎や構造部分が劣化していた

中古戸建てをリノベーションしようとして、基礎や構造部分が劣化していて後悔するケースがよくあります。
前の所有者が部分的なリフォームをしていて、内装部がきれいな状態だと、特にわかりにくいので注意が必要です。

また、住宅の使用状況や立地などによって劣化の進み具合は変わるので、築年数だけでは状態を判断し切れません。
基礎や構造部分に劣化があると、追加の工事が必要となります。その場合、費用はもちろん期間も想定より長くかかってしまい、後悔に繋がる可能性が高まります。

後悔する原因② 耐震基準を満たしていなかった

リノベーション目的の中古戸建てが、耐震基準を満たしていないというのも、よくある後悔の原因です。
現在の耐震基準では、震度6~7の地震で家屋が倒壊しないことを基準としていますが、中古住宅の中には、この基準を満たしていないものが少なくありません。

なぜかというと、1981年6月に建築基準法が改正され、それ以降は現在の耐震基準に合う住宅が建てられるようになったからです。そのため、1981年以前に建てられた築40年以上の中古住宅は、特に注意が求められます。

後悔する原因③ 希望通りに間取り変更できなかった

理想の間取りイメージをもって中古戸建てを買ったにもかかわらず、その通りにリノベーションできなかったというのも、よくある後悔ポイントです。壁の撤去などを伴う大幅な間取り変更となると、建築構造によってできない可能性が出てきます。

具体的には、2×4(ツーバイフォー)工法やプレハブ工法などの木造の場合、壁で建物を支えているため、自由に壁を撤去できません。また、鉄筋コンクリートの場合でも躯体壁の構造になっているものだと、間取り変更に制限が生じます。
そのため、壁を取り払うような大掛かりなリノベーションを検討している場合は、中古戸建ての建築構造にも注意を向ける必要があるでしょう。

後悔する原因④ 暑さや寒さが気になる

リノベーション目的で買った中古戸建てにおいて、暑さや寒さが気になるというのも、よく聞く後悔ポイントです。
住宅の断熱構造は年々進化しているため、築年数の古い中古戸建ては、最近の物件に比べて断熱性が低いことが多くあります。

また、長年使うことで構造に歪みが生じ、隙間風などが生じていることもあります。その結果、夏は暑く冬は寒いという状態になりかねません。
壁や天井に断熱材を入れたり、窓を二重サッシにしたりすることで、断熱性は向上させられますが、それなりの費用がかかります。中古戸建てをリノベーションする際は、事前に注意しておきましょう。

後悔する原因⑤ 入居までに思ったより時間がかかった

中古戸建てを購入してからリノベーションが完了して入居できるまでに、思ったより時間がかかって後悔するケースもあります。
中古戸建てのリノベーションには、数ヶ月~半年程度の期間が必要です。そのため、工事期間中は以前の場所に住むか、仮住まいを用意しておく必要があります。

しかし、工事の過程で思わぬ劣化が見つかるなどして、追加工事が必要となった場合、工事期間が伸びることも考えられます。そのため、仮住まいを用意する場合は、契約期間に少し余裕をもっておくとよいでしょう。

後悔する原因⑥ すぐに設備が壊れて改修費用がかかった

リノベーション用の中古戸建てを購入する際、まだ使えそうな設備はそのまま使用する人も多いです。しかし、入居して間もなくそれら設備が寿命を迎え、改修や買い替えに費用がかかって後悔するケースもあります。
特に注意したいのが、給湯器や換気扇などの設備です。これらは一般的に10~15年程度が耐用年数とされていますが、一見すると寿命を迎えているかどうかがわかりません。そのため、入居後になって初めて、不具合が生じていることに気づく場合もあります。

後悔する原因⑦ リノベーション費用が足りなくなった

中古戸建てを購入してから、リノベーション費用が足りなくなって後悔するケースも少なくありません。
中古戸建てリノベーションでは、物件購入費とリノベーション工事費以外にも、不動産取得費や固定資産税など、多くの出費があります。その結果、リノベーションに当てるはずだった費用が足りなくなり、結果的に設備のグレードを下げたり、計画を立て直したりする必要が出てくる可能性があります。

後悔する原因⑧ 住み始めてみたら使いにくかった

中古戸建てをリノベーションし、いざ住み始めてみたら、思ったより使いにくくて後悔したというケースもあります。
このような事態は、設計を担当者に任せきりにしてしまうと起こりやすいです。

担当者は住宅設計のプロなので安心して任せてしまいがちですが、住みやすい家は人によって違います。そのため、リノベーションを行う際は担当者に一任せず、なるべく自分のイメージを詳細に伝え、業者と二人三脚で仕上げていきましょう。

後悔する原因⑨ 引っ越し後に近隣トラブルになった

中古戸建てをリノベーションし、家自体には満足しているものの、引っ越し後に近隣とトラブルになって後悔するケースもあります。
よくあるトラブルの事例としては、「隣の家から夜中に騒ぐ声がする」「楽器の練習音がうるさい」などが挙げられます。

また、初めて住む土地の場合は、周辺環境が思っていたものと違う可能性もあるので注意しましょう。たとえば、夜は街灯が少なくて道が暗かったり、飲み屋が多くて酔っ払いが多かったりなど、住んでから気づくと後悔に繋がる可能性が高まります。

中古の戸建てリノベーションを失敗しないためのコツ

ここからは、以上見てきた後悔の原因を踏まえ、中古戸建てリノベーションを失敗しないためのコツを、8種類ご紹介します。
中古戸建てリノベーションで後悔したくない方は、ぜひ参考にしてください。

中古の戸建てリノベーションを失敗しないためのコツ

失敗を防ぐコツ①:専門家に中古物件の状態を評価してもらう

中古戸建てをリノベーションする際は、事前に専門家に物件の状態を評価してもらいましょう。
基礎や躯体の劣化状況は、専門家でないと判断できません。そのため、住宅診断士や一級建築士などに状態を確認してもらってから着工すれば、より安心に繋がります。
また、希望の間取りがある場合は、この時点で実現可能かどうか、アドバイスをもらうのもよいでしょう。

失敗を防ぐコツ②:建築された年月日を確認する

リノベーション用の中古戸建てを購入する際は、建築された年月日を確認するようにしましょう。なぜかというと、それによって大まかな耐震性と断熱性の高さが確認できるからです。
まず確認したいのが、建設が1981年以降かどうかです。1981年に新耐震基準に切り替わったので、それ以降の戸建て住宅であれば耐震性が低すぎるという心配はなくなります。

また、2000年にも建築基準法が改正され、これ以降の建物は断熱性能が高い傾向にあります。そのため、より断熱性の高い中古戸建てを選びたい場合は、2000年を目安に絞り込んでいくとよいでしょう。

失敗を防ぐコツ③:大がかりな間取り変更をするなら在来工法の戸建てを選ぶ

木造の中古戸建てを購入し、壁を取り払うなどの大がかりなリノベーションを行うなら、「在来工法」の物件を選びましょう。
在来工法とは、日本の伝統的な木造の家づくりの方法で、柱や梁を使って建てられています。そのため、壁を撤去しても構造を保て、自由な間取り変更が行えます。

また、鉄筋コンクリート造の中古戸建てを購入する場合は、「ラーメン構造」の物件を選びましょう。こちらも在来工法と同様に、柱で建物が支えられているため、自由度の高い間取り変更が実現します。

失敗を防ぐコツ④:入居日が決まってから退去する

中古戸建てをリノベーションする際、仮住まいに住む場合は、入居日が決まってから退去するのも重要なコツです。
戸建てのリノベーションは、工事のスケジュールが伸びることが少なくありません。

当初の仮スケジュールに合わせて退去を決定してしまうと、しばらく住む場所がないという事態に陥りかねません。
そのため、仮住まいの退去日は、工事が順調に進み、入居日が定まってから決めるようにしましょう。

失敗を防ぐコツ⑤:改修費用もリノベーション予算に含めて考える

中古戸建てをリノベーションする際は、既存設備の改修費用も予算に含めて考えましょう。
中古物件にもとから付いている、給湯器や換気扇、エアコンなどの設備は、いつ壊れてもおかしくないものです。

それらを当てにすると壊れた際に損をした感覚になるので、初めから改修する前提で予算を組んでおくことをおすすめします。

失敗を防ぐコツ⑥:リノベーションの優先順位を決めておく

中古戸建てを購入するとき、リノベーションの優先順位を決めておくことも重要です。
物件の建築方法や配管、広さなどとの相性によっては、計画していたリノベーション全部が実現できない可能性もあります。

また、予算との兼ね合いで、改修の一部を諦めざるを得ない可能性もあるでしょう。リノベーション箇所に優先順位を付けておけば、そのようなとき対応に困らなくて済みます。

失敗を防ぐコツ⑦: 時間帯や曜日を変えて何度か訪問する

中古戸建てを購入してから、周辺環境や近隣トラブルで後悔しないためには、現地へ何度か足を運ぶことが重要です。
その際、できれば時間帯や曜日を変えるとよいでしょう。平日は静かな場所でも、土日だとイメージが変わることが多々あります。また、時間帯によって生活音などに変化があることも多いです。

何度も足を運ぶのが難しい場合は、同じ日の昼と夕方に訪れるだけでも、周辺環境を掴むヒントになるでしょう。

失敗を防ぐコツ⑧:ライフスタイルに合わせた間取りを設計士に提案してもらう

中古戸建てのリノベーションで、どのような間取りが住みやすいかわからない人も多いでしょう。
そんなときは、ライフスタイルに合わせた間取りを、設計士に提案してもらうのがおすすめです。設計士は住宅設計のプロなので、こちらの要望を的確にヒアリングし、リノベーションに反映してくれます。

たとえばミサワリフォーム関東の「まるまるリフォーム」では、中古戸建てをまるで新築のようにリノベーションし、お客様の理想の住まいを実現するお手伝いをしています。
予算400万円からと、コストを抑えたリノベーション計画が可能なので、ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

≫≫ミサワリフォーム関東の「まるまるリフォーム」のページへ

中古戸建ての購入からリノベーションまでにかかる費用

ここでは、中古戸建ての購入から、リノベーションまでにかかる費用について、簡単に確認しておきましょう。

中古戸建ての購入からリノベーションまでにかかる費用

中古一戸建ての購入費用

中古の一戸建て購入費用は、「令和3年度 住宅市場動向調査」によると、平均2,959万円とされています。同調査によると、新築の注文住宅が5,112万円とされているので、中古戸建てはこれらより非常にリーズナブルな選択肢だといえるでしょう。
参考:令和3年度 住宅市場動向調査|国土交通省 住宅局 P.41

中古一戸建てのリノベーション費用

中古戸建てのリノベーションにかかる費用相場は、おおよそ1,000~2,000万円です。小規模なリフォームだけなら数百万円で収まることもありますが、間取り変更などを伴う大規模なリノベーションとなると、1,000万円以上はかかることが多いでしょう。
しかし、中古戸建てのリノベーションは、住宅の購入費用と合わせても、注文住宅と比べて非常に割安です。そのため、費用を抑えて理想的な住まいを実現させたい人にとって、中古戸建てリノベーションはおすすめの選択肢だといえます。

戸建てリノベーションのビフォーアフター

最後に、ミサワリフォーム関東が手掛けた戸建てリノベーションのビフォーアフターをご紹介します。
これから中古戸建てをリノベーションしようとしている方は、ぜひ参考にしてください。

築40年の戸建てリノベーションのビフォーアフター

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(ビフォー)

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(ビフォー)

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(アフター)

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(アフター)

こちらの築40年の戸建て住宅では、まず既存のモルタル壁の上に外壁材を被せ、屋根を葺き替えしています。

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(ビフォー)

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(ビフォー)

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(アフター)

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(アフター)

もともとは和室だった部屋を、19.4畳の広々としたLDKにリノベーションしています。

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(ビフォー)

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(ビフォー)

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(アフター)

茨城県水戸市の⼾建てリノベーション(アフター)

ダイニングでは、大きかった窓のサイズを小さく分け、窓の仕様もアップグレードすることで、断熱性を向上させています。

築25年の戸建てリノベーションのビフォーアフター

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(ビフォー)

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(ビフォー)

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(アフター)

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(アフター)

こちらの築25年の戸建て住宅では、まず1階部分の外壁を張り替え、2階の外壁と屋根はモダンな色合いに塗装を施しています。

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(ビフォー)

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(ビフォー)

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(アフター)

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(アフター)

リビングの中央には壁掛けテレビの壁を配置し、空間をゆるやかに間仕切りました。

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(ビフォー)

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(ビフォー)

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(アフター)

千葉県佐倉市の戸建てリノベーション(アフター)

キッチンはもともと壁に向かうタイプでしたが、センターキッチンに変更することで、家族の集まる空間に仕上がりました。

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