昨今は新築マンションや戸建て住宅を購入する選択肢のほかに、中古マンションを購入し、家族構成やライフスタイルに合わせてリノベーションする方法が注目されています。
ただ、中古マンションと聞くと、古いイメージがあり、購入してリノベーションをしても問題ないか不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、そもそも中古マンションとはどういったものなのかに加え、中古マンションのリノベーションで後悔しないためのポイントや、メリット・デメリットを詳しくご紹介します。
さらに、実際の中古マンションのリノベーション実例も併せて見ていきましょう。
目次
中古マンションとは
中古マンションとは、一度は誰かが購入し、住んだことがある物件を指すのが一般的です。ただし、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」の第3条(10)によると、過去に入居歴がない物件であっても、建築後1年以上経過している場合は中古マンションと見なすと定義されています。
リノベーションとは
リノベーションは、明確な定義があるわけではありませんが、内装や住宅設備などを一新させて、大規模な工事をおこない、間取り自体を作り変えることを指すのが一般的です。
リノベーションと似た言葉でリフォームという言葉がありますが、リフォームは部分的に小規模な改修をおこなうのに対し、リノベーションは間取りや設備、場合によっては配管なども一から作り変えることがほとんどです。
マンションのリノベーションとは
戸建て住宅の場合、敷地に余裕があるのであれば、増改築をおこない、建物の面積を増やしたり、構造に支障がない程度に間取りを自由に変えたりなど、大規模工事をおこなってリノベーションすることも珍しくありません。
一方、マンションの場合は、構造自体を変えることはできないので、有効面積自体を大きくすることはできません。ただ、3LDKの間取りや2LDKや4LDKにするなど、間取りを変更することは可能です。
また、マンションの構造によっては、キッチンやお風呂の位置を変えられるケースもあり、戸建て住宅と同様に自由度の高いリノベーションができることもあります。
マンションは築何年までの寿命?
中古マンションを購入して、リノベーションをするうえで、マンション自体の寿命が気になる方もいらっしゃるでしょう。
鉄筋コンクリート造の寿命
国土交通省が発表している「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」によると、鉄筋コンクリート造の住宅・事務所等の2011年の調査で、平均寿命は68年とする研究が紹介されています。
ただし、この数値は現存数と滅失数などから導き出された数字で、再開発などの理由で建て替えられるものもあると考えられます。そして、マンションの寿命は、地震の影響やメンテナンス条件、その他の環境によって大きく変わります。
なお、上記の国土交通省の資料では、鉄筋コンクリート造の構造上の物理的寿命は100年以上とする研究が紹介されており、定期的なメンテナンスや必要な改修をおこなえば、100年以上の耐久性も期待できます。
耐用年数と寿命は違う
中古マンションの購入を検討するうえで、「マンションの耐用年数」という言葉を聞いた方もいらっしゃるでしょう。マンションの耐用年数とは、税金などを計算するために用いられる一つの指標であり、建物の構造によって定められています。
国税庁が公表している「主な減価償却資産の耐用年数(建物/建物附属設備)」によると、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物は47年の耐用年数となっているので、多くのマンションの耐用年数は47年になるでしょう。
ただし、耐用年数はあくまでも国税庁が定める「減価償却資産の耐用年数」であることから、実際の寿命とは異なります。そのため、耐用年数が47年であっても、マンションの寿命は条件や環境によって、もっと長くなるケースがあると考えても良いでしょう。
中古マンションリノベーションが人気の理由
ここでは、中古マンションリノベーションが人気の理由を見ていきましょう。
人気の理由① 新築マンションよりも費用を抑えられる
中古マンションリノベーションが人気の理由の一つとして挙げられるのが、新築マンションよりも費用を抑えられる点です。中古マンションは、新築マンションよりも購入費用を抑えられるだけでなく、固定資産税も少なく済むので、トータルコストを抑えられるのが魅力です。
新築マンションよりも年数が経過しているとはいえ、リノベーションで内装全体を作り変えてしまうことから、古さをほとんど感じず、新築マンションと遜色ないデザインやインテリア空間を実現できます。
人気の理由② 家族構成やライフスタイルに合わせたプランニングが可能
新築マンションの場合、すでに間取りや住宅設備が決められているので、必ずしもすべての世帯の使い勝手とマッチするとは限りません。また、家族構成によっては部屋数が多かったり、少なかったりするケースもあり、住む側が住宅に合わせていかなければならないでしょう。
一方、中古マンションを購入してからリノベーションする場合、家族構成に合わせて間取りを変更できるので、必要な部屋数を確保することが可能です。また、使い勝手に合わせてキッチンやお風呂、トイレなどの住宅設備を決められるので、ライフスタイルに合った快適な暮らしが実現するでしょう。
そのほか、壁紙や床材なども自由に決められることから、家族のこだわりを詰め込んだ空間が実現できます。こうした点も、中古マンションリノベーションが人気の理由といえます。
人気の理由③ 物件の選択肢が豊富
中古マンションを購入するメリットの一つとして挙げられるのが物件の選択肢が豊富な点です。新築の場合はそもそも新築棟数少ない上に、気に入ったエリアにない場合が少なくありません。
中古マンションは、エリアや階数、予算や広さなど、選択肢が比較的豊富にあることから、希望の物件を見つけやすいのが特徴です。
中古マンションリノベーションのメリット
中古マンションは、新築マンションよりも購入費用を抑えられるのが人気の理由の一つですが、中古マンションをリノベーションすることには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット① 自由設計が可能
リノベーションは、間取りや住宅設備の変更に加え、マンションによっては配管を変えられることから、お風呂やキッチンの位置などの間取りも変えられます。そのため、マンション取得費を抑えながらも、ライフスタイルや使い勝手に合わせて自由に間取りを決められるのがメリットです。
メリット② 最新設備を導入できる
キッチンやお風呂、トイレなどの住宅設備を自由に決められるのがリノベーションの醍醐味であり、マンション取得費を抑えながらも、内部には最新設備を導入できるのがメリットの一つといえるでしょう。
生活するうえで、キッチンやトイレなどの住宅設備は毎日使用するものであり、できれば使い勝手のいいものを選びたい方も多いのではないでしょうか。リノベーションは基本的に最新機能を備えた設備を自由に導入できるので、利便性の高い暮らしを送れるでしょう。
また、昨今はデザイン性に優れた設備も多くあり、ご自身のデザインセンスに合う設備や内装に統一して、インテリアの一部として導入するのもおすすめです。
中古マンションリノベーションのデメリット・注意点
中古マンションのリノベーションにはさまざまメリットがありますが、いくつかのデメリットや注意点があるのも事実なので、どのようなデメリットがあるかを理解したうえで、中古マンションのリノベーションを検討するのが大切です。
ここでは、具体的にどのようなデメリット・注意点があるのか見ていきましょう。
デメリット・注意点① 入居までに時間がかかる
リノベーションの規模によって変動はあるものの、通常、工事が完了するまでには2~3か月程度の時間がかかります。また、リノベーション工事をはじめるには、先に中古マンションを購入しておかなければならないので、購入してから入居するまでに時間がかかってしまうのが、中古マンションリノベーションのデメリットといえます。
もちろん、どのようなリノベーションをおこなうかによって工期に違いがあり、たとえばキッチン部分だけであれば1週間程度で工事が終わる場合も少なくありません。
なお、あらかじめ、希望の入居時期が決まっている場合は、中古マンションを購入するときや、リノベーション工事の計画を進める段階で、施工を依頼する会社の担当者に伝えておくことが大切です。
デメリット・注意点② 外観や共用部は変えられない
中古マンションでリノベーションできる場所は、居住者の専有部分のみです。そのため、基本的な構造自体に手を加えることはもちろん、廊下などの共用部分はリノベーションできません。また、外観部分も共有部分となるため、色を変えたり、耐久性の高い外壁材に変えたりといったリフォームをおこなうことがほとんどです。
そのため、お気に入りの地域に住まいを持って室内を理想の空間に作り上げる、ということが中古マンションリノベーションの目的になります。
なお、どこが専有部分かがわからない方は契約書を確認するか、マンションの管理会社や管理組合に問い合わせると教えてもらえます。
中古マンションをリノベーションする費用
中古マンションを購入してリノベーションするほうが、新築マンションを購入するよりも費用を抑えられるケースが多いですが、実際リノベーションにはどれくらいの費用がかかるのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、中古マンションのリフォーム・リノベーションするときに必要な費用の目安をご紹介します。
ひとえに、リフォーム・リノベーション費用といっても、どの範囲をどれだけ改修するかによって、大きく変わります。たとえば、キッチンやお風呂の設備だけを交換するリフォームの範囲になるのか、間取りを大きく変更するリノベーションにするのかによって、金額が大きく異なります。
マンションリノベーションの事例
ここまでで、中古マンションのリノベーションがどういったものなのか、どれくらいの費用がかかるのか、イメージできたのではないでしょうか。
ここからは、実際のマンションのリノベーション実例をご紹介します。今後、リノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
マンションリノベーション実例①
LDKからつづく和室を設けることで、より開放的な空間に仕上がっています。また、一般的な畳を使わず、和モダンなテイストの畳を使用することで、全体的なまとまりを実現しています。
そのほか、調光・調色機能付きのダウンライトや間接照明によって、昼夜の雰囲気を変えることができ、視覚的に楽しめる工夫が施されているのも特徴の一つです。
マンションリノベーション実例②
もともと3LDKだった間取りから、ご夫婦と愛犬と末永く暮らせるように2LDKへとスケルトンリフォームをおこなっています。
壁や床、天井に隠れた配管や断熱材も一新し、より快適な暮らしを送れるように工夫されています。また、キッチンは対面式に新調されており、キッチンスペースからリビング・ダイニングスペースとのつながりが生まれ、家事をしながらコミュニケーションを楽しめるのも魅力です。
マンションリノベーション実例③
築41年の中古マンションを購入し、スケルトンリフォームをおこなった本物件には、もともと部屋同士に段差がありました。
リノベーションによって、高低差をなくし、バリアフリーを実現するとともに、洗面所やトイレ、収納スペースにも手を加え、より生活しやすい空間へと変わっています。
マンションリノベーション実例④
築25年のマンションのリビング、ダイニング、キッチン、さらに寝室や洋室のリノベーションをおこなっています。
もともとセミオープンだったキッチンをオープンカウンターに変えることで、開放感の溢れるLDKに生まれ変わっています。さらに、クロスやキッチンの色、床材にもこだわりがつまっており、デザイン性の高い空間に仕上がっています。
マンションリノベーション実例⑤
築7年の中古マンションのキッチンやダイニング、リビングにリノベーションを施し、より暮らしやすい空間に仕上げています。
家族みんなで料理を楽しめるように、センターカウンターのあるキッチンを採用しています。また、キッチンの床部分には、メンテナンス性の高いタイルを貼ることで、より重厚感のある雰囲気に仕上がっているのが特徴です。
また、天井には突板のピーリング材を貼ることで、木質感のあるデザイン性に優れた空間に仕上がっています。
まとめ
今回は、中古マンションのリノベーションについてお伝えしてきました。
中古マンションのリノベーションでは、キッチンやお風呂、トイレなどの住宅設備を自由に決められたり、間取りを変えたりして家族に合った空間を実現できるので、新築マンションを購入するよりも費用を抑えながら、より快適な暮らしを手にすることができるでしょう。
また、中古マンションリノベーションにはメリット以外にも、マンション特有のデメリットや注意点があるため、実績豊富な会社に相談することをおすすめします。
事例やリノベーションの現場をご覧になりたい方は、ミサワホームリフォーム関東にお気軽にご相談ください。
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