滞在時間は短いですが、1日に何度も利用するトイレ空間。
掃除のしやすさや使いやすさなど、機能面を重視したい方や、落ち着ける空間にしたいと内装にこだわる方など、ニーズは様々あることでしょう。
特に家で過ごす時間が増えた昨今、ご自宅のトイレの利用回数が増え、それに伴い、トイレリフォームをご検討される方も増えています。
このページでは、ご予算別にどのようなトイレリフォームができるのか、また、工事前に確認しておきたい補助金情報などをご紹介致します。
現在トイレリフォームをご検討中の方は、ぜひ本記事をご参考ください。
≫トイレリフォームのすべてを知りたい方はこちらもご覧ください。
トイレリフォームの費用相場と工期
一口にトイレリフォームといっても、施工範囲によって掛かる費用や工事期間が異なります。
まずはご希望のトイレリフォームがどのくらいの費用でできるか確認してみましょう。
便器交換のみのリフォーム(洋式⇒洋式)費用
便器のみを交換する、シンプルなリフォームです。
「トイレの調子が悪い」「節水型のトイレにしたい」「汚れにくいトイレにしたい」など、トイレ本体に対するお悩みをお持ちの方がご検討されることの多いリフォームです。
リフォーム費用の相場が10~42万円と幅があるのは、交換する便器自体の価格に差が生じる為で、施工費用に差異はありません。
リフォーム期間は大体半日~1日が目安の工事内容です。
便器+床材交換のリフォーム(洋式⇒洋式)費用
便器の交換と床材の張り替えのセットリフォームです。
近年のトイレは、一昔前のものに比べてコンパクトな設計になっているものが多く、既存のトイレよりサイズが小さくなる可能性があり、既存のトイレが設置されていた“跡や汚れ”が見えてしまうことがあります。
トイレと床はセットでのリフォームが基本と思ってもいいかもしれません。
リフォーム費用の相場は、13~48万円です。
床材は、CF(クッションフロア)というクッション性のある塩化ビニルでできたシート状の床材が使われることが多く、安価で水に強く、お手入れが簡単なのが特徴です。
床材にフローリング等、CFよりも高価なものを採用した場合、工事費用はさらに上がります。
リフォーム期間は大体1日~1.5日が目安の工事内容です。
便器+床・壁・天井材交換のリフォーム(洋式⇒洋式)費用
便器の交換とトイレ空間の内装張り替えのセットリフォームです。
リフォーム費用の相場は、15~50万円と「便器+床材交換」の費用と大差はありません。便器や床材を交換することで、今まで気にならなかった壁や天井の汚れや変色も目立ちますので、床と一緒に壁や天井も張り替えるという選択も一度検討してみましょう。
リフォーム期間は大体1日~2日が目安の工事内容です。
和式から洋式へのリフォーム費用
和式から洋式へのリフォームです。
和式の場合、下記のような状況になっていることが多くあります。
・トイレ内に大きな段差がある
・タンクが壁に取り付けられている
・床や壁がタイル張りになっている
洋式に交換する場合は、上記の部分の解体が必要になることがほとんどです。
解体費用や段差を平らにする下地処理費用などが掛かるため、その分費用が嵩みます。
リフォーム費用の相場は、35~60万円ですが、既存トイレの状況次第では、さらに費用が掛かるケースもあります。
リフォーム期間は大体2日~3日が目安の工事内容です。
手洗器交換のみのリフォーム費用
トイレ内にある手洗器を交換するリフォームです。
手洗器用の給排水管が既にある為、工事費用は手洗器の撤去・取付費のみとなります。
リフォーム費用の相場は、10~20万円ですが、既存の手洗器より新しい手洗器の方が小さい場合や、取付位置を変更する場合は、床材や壁材の張り替えや給排水管を弄る工事が必要になる場合があり、その分費用も掛かりますので、注意が必要です。
リフォーム期間は大体1日~2日が目安の工事内容です。
手洗器を新設するリフォーム費用
トイレ内に新たに手洗器を設置するリフォームです。
手洗器の設置費用の他に、手洗器用の給排水管を立ち上げるための施工費用が掛かります。
リフォーム費用の相場は、15~25万円です。
リフォーム期間は大体1日~3日が目安の工事内容です。
また、各トイレメーカーから給排水管を新たに立ち上げることなく、便器の給排水管を分岐させることで設置可能な手洗器も発売されています。
こちらのタイプの手洗器であれば、工期も短く、約1日で施工可能です。便器交換と手洗器新設をご検討されている方は、各メーカーの商材を確認してみてはいかがでしょうか。
トイレの種類別費用相場
工事範囲が同じでも選ぶトイレの種類によって、トイレリフォームの費用は大きく異なります。
トイレの種類ごとの費用の相場を確認してみましょう。
タンク付き洋風便器(3点構成)の費用
トイレと言われて多くの人が思い浮かべるタイプが「タンク付き洋風便器」だと思います。
タンク付き洋風便器の中でも、「便器部+便座+タンク」からなるトイレを「タンク付き洋風便器(3点構成)」・「組み合わせトイレ」などと呼びます。
3点構成のトイレは、便座とタンクが別々になっているため、万が一便座が壊れてしまった際に、便座のみ交換することができ、メンテナンスコストを抑えることができます。
トイレは便座のグレードで費用が大きく異なるため、便座の選択肢が多い3点構成のトイレは10~30万円と幅広い価格の商品から選ぶことができます。
タンク付き洋風便器(2点構成)の費用
タンク付き洋風便器の中でも、「便器部+機能部(便器とタンクの一体型)」からなるトイレを「タンク付き洋風便器(2点構成)」・「温水洗浄便座一体型トイレ」などと呼びます。
2点構成のトイレは、便座とタンクが一体化しており、隙間が少ないため、掃除が楽にできます。
トイレ価格の相場は、定価で20~30万円です。
便座とタンクが一体化しているため、選べる便座グレードの種類が限られており、3点構成のトイレに比べ、価格帯が狭いです。
★こんな方におすすめ★
2点構成・3点構成にかかわらず、他のタイプより比較的低コストな商品が多いタンク付き洋風便器は、予算を抑えたい方にはおすすめのタイプです。
タンクレストイレの費用
タンクレストイレは、貯水のためのタンクが無いトイレです。
タンクありトイレはタンクに水を貯め、その重力を利用して水を流していましたが、タンクレストイレは、水道管と直結させ、水道の圧を利用して直接水を流すことができます。
タンクが無い分、コンパクトになり、デザイン性が高く、トイレを広々と使用することができます。トイレ裏の隙間が無くなり、汚れがたまりにくい点もメリットです。
タンクレストイレはおおよそ30~40万円のものが多いです。
しかし、メーカーによってはトイレ空間を暖めたり、音楽が聴けたりというような高機能を選べるトイレもあり、機能を選択することでさらに費用が掛かる場合もあります。
★こんな方におすすめ★
現在のトイレが狭いと感じている方やトイレ周りのお掃除のしやすさを重視している方にはおすすめのトイレです。
収納付きトイレの費用
タンクや排水管を収納棚の中に隠し、スッキリとした印象にすることができるタイプが収納付きトイレです。
収納棚は、タンクなどを隠すだけではなく、トイレットペーパーや掃除用具などを収納することも可能です。
また、収納棚上部に手洗器が付いているタイプもあり、タンク・収納・手洗器が1ヶ所に集約されているため、トイレ空間をより広々と使用することができます。
収納付きトイレは、手洗器の有無や手洗水栓の手動・自動、収納範囲によって費用が大きく異なり、定価で25~65万円くらいのものがあります。
★こんな方におすすめ★
「収納や手洗器を設置したいけど、トイレ面積が狭くそれぞれ独立で設置は難しい!」とお考えの方にはおすすめのトイレです。
トイレリフォーム前に確認したい損しないポイント!水漏れや交換すべき箇所はない?
お得に無駄のないトイレリフォームをするために、事前に確認しておきたいポイントを紹介いたします。
必要な機能を選定する
トイレには、様々な種類があることを紹介してきましたが、同じシリーズのトイレでもグレードにより機能が少々異なります。
各トイレメーカーが様々な機能を搭載したトイレを販売しています。
例えば、下記のような機能があります。
・便ふたの自動開閉
・自動洗浄
・便器内自動清掃
・トイレ内を暖める
・音楽が流れる etc…
機能が多い方がもちろん便利ですが、その分価格も高くなります。本当に必要な機能を選定することで、費用を少しでも抑えることができます。
リフォーム施工範囲を検討する
施工範囲を検討することは、非常に重要です。施工範囲を狭めることで、リフォーム費用を抑えることができますが、工事後に「ここも工事しておけばよかった…」と後悔しないようにご家族で話し合ってみましょう。
・床材の交換は?
「トイレは交換するけど、床はきれいなのでそのままで。」という方も少なくありません。
しかし、トイレを外した後、既存のトイレの設置跡が隠れない可能性も大いにあり得ますので、トイレの交換と一緒に床材の張り替えもおすすめします。
・照明や換気扇の交換は?
トイレや内装が綺麗になると、今まで気にならなかった既存のままの部分の汚れや色褪せが目立ってきます。
また、調子が悪くなった箇所から順番に工事をしていくよりも、交換時期になっている設備はまとめて交換する方が、トータルの工事費が抑えられるだけでなく、仕上がりの美しさも良くなる場合が多くあります。
トイレリフォームで活用できる補助金制度を確認する
トイレリフォームで活用できる補助金があるかどうか確認してみましょう。
トイレリフォームを検討されている皆さん、賢くお得にリフォームを進めるための補助金や助成金があることをご存知でしょうか。
これらは国や自治体、特定の団体から提供される経済的な支援で、条件に合えばリフォーム費用の一部をカバーしてもらうことができます。
ここでは、トイレリフォームに使える4種類の補助金・助成金制度について詳しく解説します。
1. 介護保険の住宅改修
介護保険による住宅改修の補助金は、65歳以上で要介護または要支援の認定を受けた高齢者や、特定の病気を抱える人々が、より自立した生活を営むことを目的として提供されます。
この補助金は、トイレを洋式に変更する、扉を引き戸への交換、滑りにくい床への変更、入口の段差の除去、手すりの設置など、住宅内での安全性と利便性を高める改修工事をカバーしています。
また、介護保険で住宅改修の補助金を受け取るためには、特定の基準を満たす必要があります。
これには、以下の条件が含まれます。
利用者が介護保険制度において、要支援1~2または要介護1~5のいずれかで認定されていること。
改修を行う住宅が利用者の実際の居住地であること。また、利用者が介護施設や病院などに長期入居・入院していないこと。
これらの条件を満たした上で、住宅改修を行う必要がある理由を明記した「住宅改修が必要な理由書」を、担当のケアマネジャーに作成してもらい、申請手続きを進めることが一般的です。
このプロセスを通じて、改修工事の費用に対する補助が提供されることになります。
介護保険に関する知識を持つリフォーム業者も存在するため、改修工事の計画段階で相談すると良いでしょう。
これにより、適切なアドバイスやサポートを受けながら、必要な改修を行うことができます。
2. 子育てエコホーム支援事業
「子育てエコホーム支援事業」は、子育てをしている家庭が、省エネルギー性能に優れた新築住宅を購入する場合や、既存の住宅をリフォームする際に、その費用の一部を支援するための制度です。
支援対象の工事は大きく分けて、省エネ改修と、子育て対応改修やバリアフリー改修などのその他改修の2種類に分類されます。
省エネ改修は、補助金を受けるために基本的に必要な工事であり、トイレリフォームの場合は節水型トイレの設置がこれにあたります。
一方、その他の改修は補助の対象となる任意の工事です。
この制度の申請期間は2024年の3月下旬から始まり、12月末まで受け付けられます。
トイレリフォームでは、節水型トイレの設置や内装のバリアフリー化が補助金の対象となりますが、断熱改修や節水型トイレの設置を含むエコ住宅設備の設置などの工事が必須条件となります。
また、本制度の申請は、認定を受けたリフォーム会社が行います。そのため、リフォームを依頼する方が手続きをする必要はありません。
3. 長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、住宅の性能を高め、子育てがしやすい環境を作るリフォームに対して、費用の一部を補助する制度です。
この事業は、戸建てやマンションのリフォームが対象で、主に省エネ性能の向上、耐震性の向上など、一定レベル以上の大規模なリフォームを促進することを目的としています。
補助金の支給条件には、以下の要素が含まれます:
- 建物の現状調査を行い、維持保全計画および履歴の作成。
- 工事完了後、国が定める「耐震性」「劣化対策」「省エネルギー性」の三つの基準をクリアすること。
上記基準を満たす性能向上リフォーム、三世代同居対応改修、子育て世帯向け改修、防災性・レジリエンス性向上改修のいずれか一つ以上を含むリフォームを実施すること。
トイレリフォームに関しては、節水型トイレの設置、手すりの取り付け、出入口の段差解消、内窓の取り付け、さらには三世代同居を考慮したトイレの増設などが補助対象となる工事です。
申請プロセスは、選んだリフォーム業者が代行してくれるため、工事を依頼する人が直接手続きを行う必要はありません。
これにより、リフォームプロジェクトの計画と実施がスムーズに進行します。
参照:令和5年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業(国土交通省)
4. 各自治体のリフォーム補助金
国の制度に加えて、多くの自治体がトイレリフォームに活用できる独自の補助金や助成金制度を設けています。
地方自治体の制度は、バリアフリー化、節水型トイレへの変更、和式から洋式トイレへの交換、空き家の活用に伴うトイレ改修、三世代が同居するためのトイレ増設など、住宅の快適性や環境への配慮を目的とした幅広いリフォームが対象となっていることが多いです。
これらの助成金や補助金は、住宅の安全性や利便性の向上、環境負荷の軽減、地域社会の活性化など、さまざまな目的を持って設計されています。
具体的な支援内容や申請条件は、自治体によって大きく異なるため、リフォームを検討している場合は、事前に自身が居住する地域の役所や公式ウェブサイトで情報を確認することが重要です。
また、自治体の担当窓口に直接相談することで、自分のリフォーム計画が補助・助成の対象となるかどうか、より詳細なアドバイスを得ることができます。
≫トイレリフォームで使える補助金・助成金とは?受け取れる金額や注意点も解説!
トイレリフォームのまとめ
トイレリフォームの費用について、抑えていただきたいポイントをご紹介致しました。
★ 施工範囲ごとの費用相場
・便器交換のみ :10~42万円
・便器+床材交換 :13~48万円
・便器+床・壁・天井材交換:15~50万円
・和式⇒洋式への交換 :35~60万円
・手洗器の交換 :10~20万円
・手洗器の新設 :15~25万円
★トイレの種類別費用相場
・タンク付き洋風便器(3点構成):10~30万円
・タンク付き洋風便器(2点構成):20~30万円
・タンクレストイレ :30~40万円
・収納付きトイレ :25~65万円
★ トイレリフォーム前に確認しておきたい損しないポイント
・トイレに必要な機能を選定する
・施工範囲を検討する
・活用できる補助金制度を確認する
いかがでしたでしょうか?事前に確認すべきポイントを確認し、理想のトイレ空間を手にいれましょう。
気になることやわからないことがありましたら、お気軽にご相談ください!
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